国の天然記念物であるオカヤドカリを大量に捕獲したとして文化財保護法違反の罪に問われた中国籍の男2人の初公判が、2026年9月29日に名瀬簡易裁判所で開かれた。検察側は「犯行は計画的かつ組織的で悪質」として罰金を求刑。さらに、過去に同様の犯行で有罪判決を受けた別の中国籍の男2人から指示を受けていたという、組織的な背景も明らかになった。
奄美の海岸で1300匹超を無許可捕獲
起訴されたのは、いずれも中国籍で住所不詳のホアン・チュンジェ被告(33)とドン・ジンフイ被告(28)の2人だ。

起訴状などによると、2人は2026年6月、奄美市などの海岸において、国の天然記念物に指定されているオカヤドカリ約1300匹を、国の許可を得ずに捕獲したとされている。オカヤドカリは文化財保護法によって保護されており、捕獲には国の許可が必要だ。
「指示役」の存在が浮かぶ 報酬は1人約23万円
初公判で検察側が明らかにしたのは、単独の犯行ではなく組織的な関与の実態だ。
2人は、2025年5月に奄美市で同様の犯行を行い有罪判決を受けた中国籍の男2人から指示を受け、今回の捕獲に及んだとされている。報酬は1人あたり約23万円だったという。
こうした経緯を踏まえ、検察側はホアン被告に罰金60万円、ドン被告に罰金70万円をそれぞれ求刑した。
弁護側は情状酌量を主張
これに対し弁護側は、ホアン被告については反省していることなどを理由に情状酌量を求めた。ドン被告については、犯行における従属的な立場を強調し、罰金10万円が相当だと主張した。
裁判は29日で結審し、判決は10月14日に言い渡される予定だ。
奄美の自然を守るために
奄美大島は豊かな自然環境で知られ、オカヤドカリをはじめとする希少な生物が生息する地域だ。今回のように組織的・計画的な密猟が繰り返されることは、地域の生態系や天然記念物の保護に深刻な影響を及ぼしかねない。
過去の有罪判決を受けた人物が「指示役」として関与していたとみられる今回の事件は、個人の問題にとどまらず、組織的な密猟の連鎖を断ち切ることの難しさをあらためて示している。判決の内容が今後の抑止力となるか、10月14日の判決が注目される。
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