ガソリン価格のカルテル問題で、組合トップがついに交代しました。長野県石油商業組合は6月3日、長野市内で総代会を開き、高見沢秀茂理事長が引責辞任し、後任に吉田興産の吉田和生専務を充てる人事を決めました。「信頼される組合にしていく」としています。一方、総代会の会場は取材を避けるためか警備員が配置されるなどして厳戒態勢が敷かれ、退任した幹部らは、節目となったこの日も県民に対し、明確な説明をしないまま「退場」しました。
■公取委「組合本部は事実上容認」
3日昼前、長野市内のホテルに集まった県石油商業組合の理事や支部長たち。
組合の予算や人事などを決める通常総代会が非公開で行われました。
組合をめぐっては、2025年、ガソリン価格のカルテル疑惑が浮上。
公正取引委員会は2025年11月、北信支部のカルテル行為を認定し、組合本部についても「違法行為を事実上容認していた」と指摘しました。
県は2026年2月、組合に対し、中小企業団体組織法に基づく業務改善命令を出し、組合は5月26日、県に2度目の改善計画書を提出していました。
その中で、「組合本部も管理監督責任や監査機能を適切に行使できておらず、極めて思い責任を痛感している」として、複数の理事が辞任し、理事会メンバーを刷新することを明記していました。
■高見沢理事長が引責辞任
非公開で行われた総代会では、役員人事についても話し合われました。
総代会終了後、待ち構えていた報道陣に高見沢氏は「私はきょうをもって辞任することになりました」と明かしました。
理事長を務めてきた高見沢氏が引責辞任したほか、理事5人が辞任したといいます。
■新理事長「信頼される組合に」
新しい理事長には、カルテル問題発覚後に北信支部長に就任した吉田興産の吉田和生専務が就任。
吉田和生新理事長は「間違っているものは間違っているで正して新しい道、新しい方向で進めばいいなと。信頼される組合にしていく」と述べました。
■取材避けるため?厳戒態勢
総代会の会場となったホテルでは、警備員が配置されるなど警戒態勢が敷かれ、物々しい雰囲気に包まれていました。
総代会が開かれる前には会場出入り口の前の2人の警備員が、入室者を確認。
総代会の前には、同じホテルの別の棟の会場で支部長や理事などが出席する会議が行われていました。
報道機関の取材を避けるためか、退任した幹部らは利用客向けの通路を使わずに会場を移動したといいます。
■説明責任を果たさぬまま辞任
総代会を終えた後、高見沢氏は記者の質問にー
「(会見での説明は?)改めてまたやる予定にしています。(会見は)新理事長の方で話すと思う。社会的な通念とすれば新しい人が発表するのがいい」
高見沢氏が立ち止まって取材に応じたのは30秒程度。平林一修専務理事は問いかけに応じず、足早に会場を後にしました。
「ガソリン価格の調整疑惑」が浮上した2025年2月からこれまでの間、高見沢氏ら退任した幹部らは「価格調整をした認識はない」などと話し、一貫して組合本部の関与を否定してきました。
同年11月、公取委が「組合も事実上、容認していた」と指摘した後も、「認識の違い」などと述べ、明確な説明を避けてきました。
一方、県は2026年2月に業務改善命令を出し、記者会見などをして、県民への説明説明を果たすよう求めましたが、応じませんでした。
そして、“節目”となった3日も、高見沢氏らは明確な説明をしないまま「退場」しました。
組合は、6月中に記者会見を開き、新たな役員体制や再発防止に向けた取り組みなどを説明する予定です。