福島市で人々を次々に襲ったクマ。
パニック状態に陥ったとみられるクマは街を“猛ダッシュ”で駆け抜け、身を隠すように工場内に居座りました。
一夜が明けた現場ではそぼ降る雨の中、猟友会のメンバーが工場内をのぞき込んでクマの様子を確認するなど、緊張状態が続いていました。
現場から約300メートルの場所にある小学校は2日に続き臨時休校となり、授業は“オンライン”で行われていました。
人を襲ったクマは工場に居座る直前、この小学校の“通学路”に姿を見せていました。
2日の朝、いつも通り学校に向かっていた教頭の車を後ろから追いかけてきたのです。
画面右の住宅街から道路に飛び出してきたクマ。
そのまま“猛ダッシュ”で踏切を横切ると、対向車線側を走り去っていきました。
野田小学校・久能潤一教頭:
まさか市街地でクマが出るかとびっくりした。意外とスピードが速かったので追いかけ回されたらどうしようもない。子どもたちの通学路でよく使うところ。1時間後ずれていたらと思うと恐ろしい。
さらにクマは車が行き交う大通りにも現れ、体をゆさゆさと揺らしながらかなりの速度で走っていきました。
工場敷地内に侵入し、従業員2人を襲ったクマ。
その後、近くの住宅街で女性を襲って街を徘徊し、別の会社の工場でも男性に襲いかかりました。
「クマが突然来た、走って…。そしたらこの塀を飛び越えて。まさか(塀を)飛び越えていくとは思わなかった」と話す住民は、住宅街で女性が襲われる瞬間を目撃していました。
クマは突然、走って現れ、高さ1メートル以上ある塀を飛び超えて畑に向かい、女性に襲いかかったといいます。
目撃した住民:
「クマだクマだ」と言われて俺もビックリして。バットを持って追いかけたときには(クマが)逃げたところで。そしたら今度は「キャー」という声がした。私たちが行ったときは(女性が)顔から血を流していた。まさかこの辺にクマが出るとは思ってなかった。
クマが工場に侵入した2日。
市は“緊急銃猟”を行うことを決め、建物内に引火性のものがあることから麻酔銃に限って許可を出しました。
しかし麻酔銃は命中したものの、クマがおとなしくなることはありませんでした。
なぜ麻酔は効かなかったのでしょうか。
今回、クマの居座り現場でアドバイザーとして対応した福島大学の望月翔太准教授は、「非常に興奮しているクマだと、なかなか麻酔が効かないことがある。とても興奮している状態なので、おそらくアドレナリンの量が上回って薬が相殺された形になると思われる」と見ています。
2日から一睡もしていない可能性があるというクマ。
望月准教授は捕獲に至るまでには“長期戦”になるかもしれないと話します。
福島大学 食農学類・望月翔太准教授:
まずはクマに落ち着きを取り戻してもらい、ある程度クマ側に余裕が出てくると今度はわなに入ってくる形になる。
各地で相次ぐクマの出没。
北海道の山林で5月25日に撮影された巨大なオスのヒグマ。
体重は400kg級とみられ、メスを追いかけているといいます。
クマは2日後にも現れ、おなかまわり脂肪をたっぷりと蓄えた体を揺らし、のしのしと歩いていきました。
さらに、クマが突然、直立した際の様子では、巨体をうしろの木にこすりつけています。
その頭の高さは木に記された2メートルを示す、白い線をゆうに超えています。
北海道ヒグマチャンネル・黒澤徹也さん:
今年は特に太い個体が多い。デントコーン(とうもろこしの一種)や牧草を食べ、もっと冬眠前は太っていた可能性がある。