関西電力大飯原発の設置許可取り消しを求めた裁判の控訴審判決で、大阪高裁が1審と異なり設置許可に違法性はないと判断して逆転敗訴した原告の住民らは、最高裁への上告を見送りました。
福井県などに住むおよそ120人は現在稼働している原子力発電所・関電大飯発電所3・4号機の耐震性について「安全基準を満たす」とした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、国に原発の設置許可を取り消すよう求めていました。
裁判では原発周辺で想定される最も大きな揺れ=「基準地震動」の評価が争点となり、住民側が「過小評価している」と主張したのに対し、国は「妥当な数値だ」と反論。
2020年、1審の大阪地裁(森鍵一裁判長)は「基準地震動」について「関西電力はデータの“ばらつき”を考慮しておらず、新しい規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は違法」として設置許可を取り消す判決を言い渡しました。
そして先月、大阪高裁(川畑正文裁判長)は「原子力規制委員会の判断過程に看過しがたい過誤や欠落は認められず、判断に不合理な点はない」として、1審判決を取り消し、住民側の訴えを退けました。
逆転敗訴となった住民側は、上告しないことを決めたということです。
原告の代理人は原発関連の訴訟が各地で多数起こされていることから「最高裁では審理の範囲が限られ、逆にこの高裁判決そのものを認知される危険性があるため、あえて上告は行わない。苦渋の体験を他の原発訴訟関係者に伝え、彼らにおいて大いなる逆転を期したい」などとコメントしています。