メン地下「コスパいい」
別のメン地下は、多い時で月200万円近い収入があると話し、「ホストよりコスパがいい」と明かした。
「出勤は週の半分ほど。ホストみたいに毎日働かなくていいし、酒も飲まなくていいから」

ファンには未成年も多いという。
売春行為で資金を作っている少女がいることも知っているが、「別にどうも思わない」と突き放す。
「僕たちは稼げるし、あっちも好きで払っている。何が問題なんですかね」
専門家「複数の手段検討を」
未成年が容易に入り込める環境の中で、多額の金銭が動き、その先で売春行為にまで至るケースもある。
こうした状況を止めることはできないのか。
歌舞伎町で若者らの支援を行っている「公益社団法人日本駆け込み寺」の清水葵代表理事(27)の下には、メン地下に入れ込む娘を心配した保護者らからの相談が数多く寄せられているという。

「SNSの影響で、メン地下にハマる女性が増加し、かつ低年齢化しているのを現場で感じる」と話す。
今後必要な対策としては、「まずは何が起きているかを可視化することが出発点。その上で高額料金やデート特典の見直しといった業界ルールの統一、自治体レベルでの規制など、複数の手段を検討する必要がある」と指摘した。
「僕たちのメリットないですよね」
ただ、実際に規制などの対応策を実行していくには課題が多い。
警察庁に尋ねると、メン地下が未成年の売春行為の一因になっているケースを把握しているとした上で、「“アイドル”の定義が曖昧なことなど、適法な営業との区別が困難」と説明。「現行法の中で、違法に当たる行為があれば取り締まりをしていく」とコメントするにとどまった。

行政による対応に限界があるとすれば、業界による自主的なルール作りはできないのか。
取材の中で、あるメン地下に尋ねると、こう笑い飛ばされた。
「僕たちのメリットないですよね。稼げなくなるので」
白い歯からこぼれるそんな言葉を聞きながら、歌舞伎町の路上に立つ少女の姿が頭によぎった。
誰かにとって無邪気に語れる話が、誰かにとっては夜の路上に立つ理由となっている。
その温度差のある二つの光景が同じ構図の中にある。そんな現実に、言いようのない薄気味悪さを覚えた。(松岡紳顕)
