足を踏み入れた路上売春
しかし、中学生にそんな大金を用意する手段はない。少女が選んだのは、東京・歌舞伎町のホテル街で身体を売ることだった。
路上に立ち、男性から声を掛けられるのを待つ。時には、未成年売春を斡旋する人物が、中年男性を連れてくることもあった。

1回に得られる報酬は1~2万円程度。
そのほぼ全てがメン地下に消えていった。
信じた“推し”の言葉
推しには、自分が未成年であることや、身体を売って資金を作っていることは打ち明けていた。
しかし、その事実を聞いた推しは、笑顔でこう告げた。
「アイドル辞めたら迎えに行くから、いま頑張って」
少女は、その言葉を信じた。
つぎ込んだ金額は、約300万円にのぼった。

しかし、推しは何も告げることなく、ある日突然、メン地下を引退。再び会うことはなかった。
規制のないメン地下
“疑似恋愛”でファンを引きつける――。
こうした、男性が恋愛感情を利用して金銭を集める構造は、ホストクラブと似た側面がある。
しかし、ホストクラブでは近年、「売掛金問題」が社会問題化し、風営法改正で規制が強化された。一方、メン地下には同様の規制は存在しない。

しかも、飲酒を伴うホストクラブと異なり、未成年でも容易に足を運ぶことができる。
無論、全てのメン地下が悪質というわけではない。
ただ今回の取材では、判断能力が十分に成熟していない未成年が、課金のために路上売春にまで足を踏み入れる実態が確認された。
そして、その状況を止めるどころか、容認、後押しする大人たちの姿も見えてきた。
メン地下「売春で稼ぐこと否定しない」
こうした実態を、メン地下側はどう捉えているのか。
実際に、少女が100万円以上を支払ったという“推し”の一人に会うことができた。
未成年が多額を費やし、その資金を売春行為で作るケースがあることについて尋ねると、「女性に年齢や職業を聞く事は失礼なので、一切知らない」と説明した。
その上でこう続けた。「売春行為自体は悪いことだと思うが、そうやって稼ぐことを否定も肯定もしない」
