先行きが不透明な状態が続く中東情勢は様々な産業に影響を及ぼしていて、米や野菜を作る農家も例外ではない。生産や販売への影響が広がり、食材の供給不足や価格上昇への懸念が強まっている。

燃油と肥料の高騰 米農家を襲う二重苦

富士市で米農家を営む仁藤丈也さん。

仁藤丈也さん
仁藤丈也さん
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4月下旬、この日はレンゲの花咲く田んぼで、田植えに向けた土づくりに励んでいた。

レンゲはそれ自体が肥料の代わりとなり、その年の咲き具合によって肥料の削減効果が見込めるという。

目下の悩みはトラクターなど農機具を動かすために必要な燃料の高騰。

土を耕したり、苗を植えたりするため、現在、トラクターなど3台の農機具を所有している仁藤さん。

1日に使用する軽油は約100リットルに上る。

また、昨今の物価高に伴い肥料の価格は上昇する一方。

“売るため”の資材すら不足 米袋は3割高

さらに、いま最も頭が痛いと話すのが米袋だ。

販売先からは5月の納入分から価格が3割増しになることを伝えられている上に、大量入荷は難しい状況にあるという。

例えば、米袋メーカー大手のアサヒパックは3月下旬、 原材料の調達や物流コストの高騰により、製品の値上げや受注制限の可能性について言及している。

仁藤さんは生産した米をJAや契約先に卸すと同時に、道の駅などでも販売しているが、そもそも包装する資材がなければ売ることもできない。

このため、通常よりも割高な米袋を購入することで当面の必要数は確保したが、仕入れ先からは例え割高なものであっても今後の状況は不透明であると言われていて、仁藤さんは「いまはどれだけ収量を多くするのか考えるのが精一杯なので、売り方については収穫した時に考えるしかない」と苦笑いを浮かべた。

野菜農家に迫る危機 雑草との戦い現実味

一方、農業への影響は他にもあり、その1つが土の保温や保湿に加え、作物を雑草や害虫から守るために露地栽培で使用するマルチシートだ。

石油製品の1つであるナフサを原料としていることから値段が急激に上昇している上、品薄になっていて、富士宮市の野菜農家・浅井国雄さんは「マルチシートを張ったところは雑草を抑えることができるが、張らずに野菜を作るとなると雑草との戦いになってしまう。気温が上昇し、雑草がとても元気の良い状態なのでマルチシートが不足すると困る」と嘆いた。

浅井国雄さん
浅井国雄さん

燃油や資材の高騰はやがて食材の供給不安に

野菜の種や苗のほか、農業用資材の販売を手がける石川鉄造種苗店の石川靖 社長によれば仕入れ価格で数十%の値上がりは当たり前で、中には従来と比べ4割ほど高い値段を提示される資材もあるそうで、「農家あっての私たち。今後は、これ以上コストをかけて野菜を作るかどうかという話になっていくと思うので、農業を辞めるという流れにならなければよい」と話す。

石川靖 社長
石川靖 社長

農作物の販売価格に直結しかねない燃料や資材の高騰。

加えて、そもそも質の良い米や野菜、果物を出荷することができずに供給が不足すれば、販売価格の高騰につながってしまうことから、関係者たちは1日も早い中東情勢の安定化を願っている。

テレビ静岡
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