気になる疑問やニュースのナゼを解き明かす「どうなの?」です。
4月29日に東京・八王子市で体長1メートルを超えるツキノワグマの姿が防犯カメラに映っていました。
東京都によりますと、これからの時期、クマと遭遇する機会が最も多くなるといいます。
さらに、東京のクマというのは個体数が増加傾向にあると考えられています。
15日は「“東京クマ”分布域拡大 都内の出没どこまで」についてお伝えします。
まず4月29日にカメラに捉えられたクマについてみていきます。
八王子市によりますと、体長1メートルを超える成獣のツキノワグマが出没したのは、4月29日午後8時過ぎです。
5月10日に、イノシシの捕獲用のわなを点検する際にセンサーカメラの映像を確認してみたところ、クマが撮影されていたことがわかりました。
今回このクマが目撃されたのは、八王子市の西側のエリアである元八王子町2丁目で市街地の近くでした。
実際に地図で見ると、クマが出没した雑木林から100メートルほどのところに小学校があり、300メートルほど北側にはかなりの数の家が立つ住宅街もある場所だということがわかります。
山崎夕貴キャスター:
このクマがどこから来て、どういうふうに通ったかは分かっているんですか?
安宅晃樹キャスター:
東京のクマの生態に詳しい東京農工大学の小池伸介教授によりますと、可能性として考えられるのは、周辺で目撃情報が多い中央道の八王子JCTの北側のエリアだということです。クマたちは東側に移動して、少し茂みや緑がある中央道を通って、離れ小島ともいえる雑木林に行ったのではないかといいます。一時的にこの場所にいたことは分かっているんですが、現在は山の方向に戻っていった可能性が高いと分析しています。
山崎夕貴キャスター:
茂みがあるといっても山道も含めて道路を通る可能性もありますし、住民と出くわす可能性というのは十分にありましたよね。
遠藤玲子キャスター:
増加傾向にあるということでしたが、都内にクマって、そもそもどのくらいいるんでしょうか。
安宅晃樹キャスター:
東京都が公表しているデータによると、東京の西側の多摩地域の森林にクマは生息しているということです。ちなみに世界的にも珍しいクマが生息している首都が東京だといいます。2025年度に行った生息状況調査では、個体数は120~378頭と推定されていて、専門家や市町村の聞き取りを加味して増加傾向にあると考えられるということです。
石渡花菜キャスター:
山間部でクマが見られるのは分かりますが、なぜ人が住む地域で目撃され始めるようになったんでしょうか。
安宅晃樹キャスター:
東京農工大学の小池教授によりますと、生息区域の変化が要因の1つと考えられているということです。環境省の資料をもとに小池教授が作成したツキノワグマの分布域の変化によりますと、1978年、2003年、2018年と段階にわけられていて、1978年から徐々に東の方向に分布域が拡大しているのがわかります。
分布域が変化しているの理由について、小池教授は“森林が回復していること”や“生息域が拡大したこと”。また、人口減少などによって、農地などの里山に人の出入りが減り“人の生活圏とそしてクマの生息が近づいたこと”だと指摘しています。
榎並大二郎キャスター:
まさに生息域がじわじわと東の生活圏のほうに近づいていますが、どこまで広がってしまう恐れがあるんですかね。
安宅晃樹キャスター:
都内のクマ出没というのがどこまで拡大するのか、より詳しくみていきます。
そもそもクマの生息域は多摩地域ですが、小池教授によりますと、このまま対策をとらなければ、将来的に府中辺りまで移動する可能性があるといいます。どのように移動するのかというと、多摩川沿いを通って東に移動するということです。クマは元来警戒心が高いので、多摩川沿いの緑があるところを通って東に行く可能性があるといいます。過去には、立川や府中の辺りの川沿いの雑木林でイノシシやシカが出没した情報もあり、クマも同じように川沿いを通っていく可能性が高いといいます。仮に元来警戒心が高いクマですが、警戒心が低かったり好奇心旺盛なクマがいるとより都心部のほうに近づいてくるという可能性もあるということです。
遠藤玲子キャスター:
立川や府中って聞くと一気に身近に感じるようになりますが、多摩川沿いの緑地だったり公園も多いので、人もかなり往来すると思います。
山崎夕貴キャスター:
クマがどんどん東に移動しないために、今できることって何かあるんですか?
安宅晃樹キャスター:
小池教授によりますと、いま住宅街などに出没する東北などのクマと比べると、東京のクマというのは人に慣れていないというところで、現在いつく段階ではないということです。また警戒心も強いということで、今のうちから例えばルートを遮断するとか、何らかの整備が必要だと指摘しています。
「“東京クマ”分布域拡大 都内の出没どこまで」について見ていきましたが、専門家を取材したところ、東京のクマは分布域が東へ拡大していることがわかりました。今後、場合によってはクマが多摩川沿いを移動して府中市辺りでも目撃される可能性があるということです。
榎並大二郎キャスター:
レジャーシーズンですから週末、山沿いへお出掛けという方もいると思います。過度に怖がる必要はないですが、いるんだということを覚えておくのが大事ですね。