人口減少と老朽化で増え続ける空き家。秋田市では2025年に4900戸余りが確認され、地域の安全課題にもなっている。こうした現実に向き合い、空き家を新たな暮らしの場へと再生しようとする若者がいる。地元に戻り起業した26歳の若き不動産事業者の挑戦を追った。
増え続ける空き家と地域の危機
人口減少や建物の老朽化を背景に、全国で空き家が増加している。秋田市の2025年の調査では、回答が得られた789町内だけで4916戸の空き家が確認された。
このうち約3割が適切に管理されておらず、1割弱は倒壊の危険がある状態だ。
老朽化した住宅は地震や台風時の倒壊リスクに加え、火災時の延焼や野生動物のすみかになるなど、地域の安全を脅かす存在となっている。
空き家を“面白さ”に変える若者の挑戦
こうした課題に新たな視点で向き合うのが、2026年2月に秋田市保戸野で不動産店「あきた~(から)ふどうさん」を開業した南雄太さん(26)だ。
大学卒業後、大手不動産会社で経験を積んだ後、2025年に地元へ戻り起業した。
「仕事で悩んでいた時に、『秋田に戻ってきたら』と言われ、不動産の仕事をしようと決めた」と振り返る南さん。地元の仲間とのつながりが背中を押した。
若者コミュニティが生み出すアイデア
南さんの活動の基盤となっているのが、若者グループ「AKITA “KARA”」だ。
創業支援や移住イベントを行うこの団体の拠点は、空き店舗をリノベーションした交流スペース。世代を超えた人々が集まり、自由に使える場として新たな発想が生まれている。
「空き家だった場所で話し、仕事をするのが楽しい。使えるものを生かしながら、どう面白く暮らすかが大事」と南さんは語る。
“地域を歩く”ことから始まる再生
開業から約3カ月、南さんは保戸野地区を中心に空き家や空き店舗の活用を進めている。
物件探しで欠かせないのが、地域を実際に歩くことだ。
南さんは「長年放置されているアパートなど、まだ使える物件は多い。それが生まれ変わり、新しい人が自分らしい空間をつくっていける」と話す。
埋もれている資源を見つけ出し、次の担い手へとつなぐのが役割だ。
空き家は「負債」から「資源」へ
南さんは空き家だけでなく、空きアパートや空き地も含めて価値を見いだしたいと語る。
南雄太さん:
物件にはそれぞれ魅力がある。秋田の面白い物件を発信していきたい。
まずは拠点のある保戸野地区から人の流れを生み出し、地域に新しいにぎわいをつくることを目指す。
見過ごされてきた空き家が、新たな暮らしや出会いを生む場所へ。その一歩が、静かに動き出している。
(秋田テレビ)
