歴史的な値上がりを記録した令和の“コメ騒動”から一転、コメ価格が低下しています。
大阪市内のスーパーマーケットでは去年11月に取材した際には5キロで税込み5000円を超える商品が多くなっていましたが、現在は大部分が税込み3000円台となっています。
スーパーの社長は、「去年12月ごろから下がり始め、4月中旬から安いものが出始めた」と話し、さらなる「2000円台」まで値下がりする可能性も指摘します。
そうなると苦しいのが、コメ農家です。中東情勢が悪化し、生産コストが上昇している中で、新米の価格も去年より期待できないという状況。
販売店は、価格高騰で客がコメ離れを起こし、需要が減っていると背景を説明。去年のコメ不足を受けて多めに仕入れたものが、在庫になり、「赤字覚悟で値下げしている」と話し、価格の安定を期待しました。
■「令和の米騒動」で一時は過去最高の価格も徐々に値下がりが起き…
おととし夏に店頭からコメが消え、価格が異常なまでに高騰した「令和のコメ騒動」。
5キロ5000円を超えるコメもあり、政府は「古古米」や「古古古米」などの備蓄米を大量に放出しました。
全国のスーパーで販売されるコメの平均価格は、放出後には下がったものの、その効果は長く続かず、年明けには5キロ当たり4416円と過去最高を更新しました。
しかしそれ以降、緩やかに下がり、最新の価格は5キロあたり3796円に。3800円を下回るのは、去年8月以来です。
■在庫のコメは5キロ税込みで「3000円切ってくる可能性も」
こちらの大阪市内のスーパーでも、コメ価格は新潟県産のコシヒカリが5キロで税込み4190円、そのほかの商品はだいたいが3000円台という値段です。
【90代の客】「助かる。ちょっとでも安くなった方がありがたいね」
【50代の客】「嬉しいですね。元の値段に戻るといいかな」
【40代の客】「うち子どもがかなりご飯食べるんで、相当助かってます」
【フレッシュマーケット アオイ・内田寿仁社長】「卸業者などに在庫がだぶついていて、8月に新米が出ると、今の在庫はすべて『古米』になり、価値が下がります。
そこで値段を下げてでも早く売りたいということで、まだまだ値段が下がる可能性は十分あります。3000円切ってくる可能性もあるのではないでしょうか」
■不安を抱える農家 新米価格も「うわさレベルだが下がると」
コメ価格の下落が続き、消費者は嬉しい一方、農家は不安を感じています。
【コメ農家 平峰拓郎さん】「(コメの)消費がちょっと伸び悩んでいると聞いています。米価も5キロが今、3000円台になってきていると。コメがなかなか売れないのでどんどん安くされているんだろうなと」
兵庫県豊岡市のこちらの農家は、去年は異常な暑さと雨不足で、コメ作りに深刻な被害が出ました。
ことしは今のところ順調だということですが、気候に加え、中東情勢の悪化による原油高の影響を受けた生産コストの上昇、さらに新米がとれても価格は伸び悩みそうだと頭を悩ませています。
【コメ農家 平峰拓郎さん】「農機具は軽油とか燃料使いますし、あと肥料なんかもコストが上がってきている。色々と影響は出ているんだろうなと」
(Q.新米がたくさん取れても値段が上がらない?)
【コメ農家 平峰拓郎さん】「うわさレベルの話からすると、若干(価格は)下がるということはお聞きしています」
■販売店は赤字覚悟で値下げも
なぜ、コメの価格が下落しているのか。販売店を取材すると、その一因が見えてきました。
大阪市内の店では、去年の今頃、コメの仕入れが難しく、新規の客への販売を断るため、シャッターを閉めて営業していました。
しかし、今年は一転して在庫が生じているといいます。
【西川米穀店 店主・西川信一さん】「在庫は少し多いですね。できれば新米の時期に在庫ゼロに近い状態にしたいんですけど、このままでいくと少しやっぱり在庫を抱えてしまうかなって思っています」
店頭には、20種類ほどのコメが置いてあり、去年と比べてみても、商品の量がかなり多いことがわかります。
また、倉庫にも山積みのコメがあり、産地とすでに契約しているものと合わせると、例年の同じ時期より在庫は多いということです。
そのため、新米が入ってくる秋までに在庫を減らすには、赤字覚悟で値下げせざるを得ないといいます。
【西川米穀店 店主・西川信一さん】「4月に1度下げて、5月のゴールデンウィーク明けに下げた。赤(字)ですね。3000円や4000円台前半に関してもほぼ利益はないですね」
■背景「客のコメ離れ」も?「できれば安定を」
なぜこれほどまでに在庫が増えたのでしょうか?
【西川米穀店 店主・西川信一さん】「お客様のコメ離れというのも進んでいるのかなと感じますね」
この店では、去年のコメ不足を受け、仕入れ量を1割ほど増やしましたが、コメ離れの加速もあり、在庫を抱えてしまっているといいます。
【西川米穀店 店主・西川信一さん】「特にこの2、3年は、すごいことになっているので、ちょっと振りまわされている感が強いですね。
やっぱり米一本でいっているんでね。生活が左右される大きな部分でもあるので、できれば安定した販売ができればと思っています」
「令和のコメ騒動」から一転して下がり続けるコメの価格。今後、価格が安定する日は来るのでしょうか。
(関西テレビ「newsランナー」2026年5月14日放送)