10日、大阪で行われた陸上の木南記念・女子800メートル。この春から新社会人となった久保凛選手(18)が、高校時代を過ごした地元・大阪で社会人デビュー戦に挑んだ。

日本記録保持者として臨んだ初戦は、まさかの7位。レース後には思わず涙を流す場面も見られた。彼女が流した涙の理由と、新たなる指導者とともに見据える世界への挑戦に迫る。

■地元・大阪での社会人デビュー戦

久保選手は去年7月、日本選手権で自身がもつ日本記録を更新して見事優勝を果たした。さらに同年9月には世界選手権に初めて出場するなど、高校生ながら日本女子800メートル界を引っ張る存在として大きな注目を集めてきた。

高校での3年間について、久保選手は「自分から見てもすごい成長できた3年間だったなって思うんで、ここは100点付けようかなと思います」と振り返る。

そしてこの春、高校を卒業して積水化学に入社。新社会人として新たな一歩を踏み出した。

■元日本記録保持者のコーチ「どんなことやらせてもレベル高くこなす」

世界と勝負するため、久保選手が新たに指導を受けることになったのは、男子800メートルの元・日本記録保持者である横田真人さん。

久保選手は新たな環境について、「自分は高校を卒業してからも800メートルで世界を目指して頑張りたいっていう思いがあって、その中で、その800メートルを頑張るなら、横田さんに見ていただきたいなって」と、世界を目指すうえでの覚悟があった。

長年、男子中距離界を牽引してきた横田コーチから見て、久保選手の強さはどこにあるのだろうか。

「強さは、まあずっと話してて思うのは、やっぱメンタリティかなと思ってます。ゴールが明確だっていうとこは教えられない」と横田コーチは語る。

さらに「練習を見てても、どんなことをやらせてもレベル高くこなすので、いろんな伸びしろがある選手なのかなと思って見ています」と、その潜在能力を高く評価している。


■冬に負ったケガからの復帰

800メートルという競技は、スピード、スタミナ、そしてレースプランなど、さまざまな要素が求められる過酷な種目である。久保選手は冬に負ったけがからの復帰に向け、横田コーチとともに土台となるフィジカルを作り上げてきた。

そして迎えた、社会人としてのシーズン初戦、大阪での木南道孝記念陸上競技大会。レースを前に久保選手は「数字にこだわらずに初戦をしっかりスタートできたらと思っているので、今の出せる全力をすべて出し切れたらなと思っています」と意気込みを語っていた。

■まさかの7位とあふれる涙 

そして迎えたレース。

レース序盤、久保選手はペースメーカーの直後を走り、先頭グループの中でレースを進めた。

しかし、徐々にスピードに乗り切れなくなり、後退してしまう。

結果は2分7秒47で、まさかの7位に終わった。

■18歳の背負う重圧

想像していなかったタイムに驚きを隠せず、思わず涙を流す久保選手。

まだ18歳にして日本女子800メートル界を牽引する立場には、周囲が想像もつかないような大きな重圧があったに違いない。

この結果に対し、横田コーチは「過度なプレッシャーはやっぱり、まあ18歳なので、見せない部分もありますけど、もっと準備をきちんとしてから出させてあげても良かったのかな」と思いやる。

■オリンピックや世界陸上でメダルが取れるような選手に

けがからの復帰となった社会人デビュー戦はほろ苦い結果となったが、18歳の世界への挑戦はまだ始まったばかりである。

久保選手は入社式で、今後の目標について力強く語っていた。

「アジア大会と世界ジュニアがあるので、やっぱりそこで優勝したいっていう強い思いがあって、将来は、オリンピックや世界陸上でメダルが取れるような選手になっていきたいと思うので、少しずつレベルも上げて、積み重ねていけたらなと思っています」

(関西テレビ「newsランナー」2026年5月11日放送)

関西テレビ
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