新潟市の北越高校の生徒など21人が死傷した磐越道のバス事故。バスに乗っていた生徒は若山容疑者の運転に不安を感じ、事故の直前、家族に「死ぬかもしれない」とメッセージを送っていたことがわかった。事故から13日で1週間…高校側とバス会社側の主張が食い違う中、真相解明と再発防止は急務となっている。
■事故直前 生徒から家族へ「死ぬかもしれない」
5月6日、新潟県胎内市の若山哲夫容疑者が運転するマイクロバスが磐越道でガードレールなどに衝突した事故。北越高校ソフトテニス部の部員など21人が死傷した。
一部の生徒は「運転が荒かった」などと証言していて、事故の直前、バスに乗っていた生徒が家族に「死ぬかもしれない」とメッセージを送っていたことがわかった。

■事故繰り返していた容疑者 代車は“全損”
これほどまでの恐怖感を与える運転を行っていた若山容疑者。
15年来のつきあいがあるという自動車修理会社の関係者は、「この2カ月で4~5回ぐらい事故が頻繁に起きている人」と話し、今回の事故の5日前にも若山容疑者が事故を起こしていたと説明。
「追突事故になるだろうか、そういう事故を起こして、私のところから代車として出していた車が全損した」
5月1日午後1時ごろ、日東道で撮影された動画には自動車修理会社の関係者が貸し出していた代車が。前方が大きくつぶれてしまっていました。
動画を撮影した人は「今まで見た中では結構大きいほうの事故だなと思った」と振り返る。
そして、動画をよく見ると車内では若山容疑者とみられる人物が電話をしているのが確認できる。
動画を撮影していた人も「動画に電話をしている人が映っていた。動揺しているようには見えなかった。落ち着いて電話しているというか」とその印象について話した。

■バス・運転手の手配めぐり食い違う主張
「深く後悔している」と警察に話しているという若山容疑者だが、これほどまでに事故を頻繁に起こしていた人物になぜバスの運転が依頼されたのか。
12日の会見で松本洋平文部科学大臣は「部活動も含めた校外活動において、事業者に移動手段の手配や確保を依頼する場合には、契約内容を明確にした上で、事業者と適切な契約を行うとともに、利用する旅客運送の安全確保について、あらかじめ確認をするということが必要である」と指摘。
しかし、北越高校男子ソフトテニス部顧問の寺尾宏治氏は「事前に見積書を受け取ったことはなく、契約書を取り交わしたこともなかった」と話していた。
こうした契約書がないため、北越高校とバスや運転手を手配した蒲原鉄道の間で意見の食い違いも発生。
蒲原鉄道の金子賢二営業担当は「学校からの要請で『レンタカーを手配して、なおかつ人も頼むよ』という中で紹介をした」と話す一方で、寺尾氏は「費用を安く抑えたいからレンタカーを手配してほしいと依頼したことはない。また、運転手の紹介を依頼したこともない」と主張している。

■運転を依頼された男性「数年前から複数回」
発注をめぐる両者の主張は食い違うが、蒲原鉄道の営業担当が知人を介して若山容疑者に運転を依頼したことは事実。
そして、レンタカー店で借りたマイクロバスの運転を依頼する、こうした仕組みは数年前から行われていたという。
かつて別のバス会社で運転手を務めていた男性は「携帯で『何月何日なんだけど乗れないか』と。北越高校の生徒さんだというのは聞いている。複数回あった」と明かす。
この男性のもとには数年前から複数回にわたって北越高校のバスの運転を依頼する電話がかかってきていたという。
男性は「金子さんは北越高校に『運転手を探してくれて』と言われていたらしい。それで、そこから私のところに知り合いを通じて話は来ていたが、私は1回も乗らなかった。緑ナンバーに乗っていた人間が白ナンバーに乗れない。高校生の若い命を預かって」と話した。

■学校・会社間で“白バス”繰り返されていたか
こうした行為がいつから始まったのかは分からないが、蒲原鉄道で10年ほど前までバスの運転手を務めていた男性は、白バスに似た行為をやっているという話は聞いたことあるか?との問いに「そういうことは一切感じなかった」と話した。
会社の車両・運転手を使わないため、営業担当など限られた人物のみが知るものだったのかもしれない。
金子恭之国土交通大臣は「現在どのようにレンタカーや運転手が手配されたのかという点も含め、運行形態や契約関係など事実関係を確認中。道路運送法に違反になるか否かは、確認された事実関係を踏まえて判断していく」と語った。
運行実態を把握するため11日、蒲原鉄道の監査を行った国交省。警察も学校と会社の間で違法は旅客輸送いわゆる“白バス行為”が繰り返されていたとして捜査を進めている。
17歳の若い命が失われた事故から13日で1週間…悲劇が繰り返されないために、真相解明と再発防止は急務だ。

