手のひらは「無毛部」と呼ばれる場所で、動静脈吻合(AVA)という動脈と静脈が合わさった毛細血管が通っています。暑くなると、体内の熱を放散するために動静脈吻合が開きます。

そのタイミングで「無毛部」を冷やすと、冷えた血液が全身を巡り、深部体温が下がりやすくなります。

5分程度、バケツなどに張った氷水に手を入れたり冷たいペットボトルを握ったりすると、体を冷やすことができます。

(イメージ)
(イメージ)

ただし、水やペットボトルが冷たすぎると、血管が収縮して血が巡りにくくなってしまうので要注意。気持ちよく感じる程度の温度が最適です。

夏はレジャーに繰り出したくなる季節ですが、近年の暑さは危険なレベルだといえます。こまめな休憩と水分補給で体を休めながら、無理せずに楽しみましょう。

長谷川 博(はせがわ・ひろし)
広島大学大学院人間社会科学研究科教授。日本スポーツ協会「スポーツ医科学専門委員会スポーツ活動中の熱中症事故予防に関する研究プロジェクト」班員、国立スポーツ科学センター「東京オリンピック特別プロジェクト」研究員などを務める。

構成=有竹亮介

長谷川博
長谷川博

広島大学大学院人間社会科学研究科教授。横浜国立大学大学院教育学研究科修了(体育学修士)。東京都立大学大学院理学研究科修了(理学博士)。運動生理学を専門として、運動及び環境ストレス時における生体反応や身体の適応反応について生理学的手法を用いて分析している。研究のキーワードは、熱中症予防、暑さ対策、身体冷却、体温調節、スポーツパフォーマンス。日本スポーツ協会「スポーツ医科学専門委員会スポーツ活動中の熱中症事故予防に関する研究プロジェクト」班員、国立スポーツ科学センター「東京オリンピック特別プロジェクト」研究員などを務める。