小学生の女の子10人に性的暴行を加えた罪などに問われ、1審で無期懲役の判決が言い渡された男が控訴していた裁判で、大阪高等裁判所は男の控訴を退け、無期懲役の判決を維持しました。
柳本智也被告(30)は2016年から2022年にかけて、大阪府内の集合住宅で、小学生の女の子10人に性的暴行を加えた罪などに問われています。
■被害者の父親「娘は取り乱して泣いていた。本当に卑怯で…許せない」
去年2月の裁判員裁判で、大阪地裁(伊藤寛樹裁判長)は、「各犯行は女児らを狙って人格の根幹を傷つけたもので、卑劣・悪質の極み」と指摘し、検察の求刑通り無期懲役の判決を言い渡しました。
1審の裁判当時、被害にあった女の子の父親の1人は、次のように語っていました。
【被害者の父親】「娘が取り乱して泣いていたので、とりあえず落ち着かせて。自分よりも力の弱い子供をターゲットにしてというのは、本当に卑怯で…許せないです。
本音としては死刑になってほしかったけど、無期懲役になったのは良かったと思っています。
ただ、娘や家族としては、受けた被害のことは一生忘れることはないし、親が死んでいなくなった後も、娘は1人で背負っていかないといけないので、すごくつらいと思う」
■1審判決を不服として控訴「本当に申し訳なく思っています」と謝罪も…
柳本被告は、これを不服として控訴していました。
これまでの控訴審で、柳本被告側は1審判決のあと、一部の被害者に賠償金の支払いを提示するとともに、「宥恕(ゆうじょ)」と呼ばれる処罰を求めないように交渉したものの、断られたことを明かしました。
また柳本被告は「私のしてしまった行為は到底許されない行為です。カウンセリングを受けて歪んだ考え方だったのが身に染みて感じています。被害者様には、本当に申し訳なく思っています」と話していました。
■”治療受ける”主張も「考慮するにも限度がありそれほど重視できるものではない」
きょう(11日)の判決で大阪高裁(坪井祐子裁判長)は、「被告が認知行動療法※を受ける意思を持っていて再犯危険性を減少させるなどとも主張するが、考慮するにも限度があり、それほど重視できるものではない」などと指摘。
また賠償金の支払いについても、「1審である程度、織り込み済みの材料」と述べ、「1審判決の刑の重さの判断を破棄しなければ明らかに正義に反する事情があるとはいえないと解すべき」として控訴を棄却し、無期懲役の判決を維持しました。
(※性加害の再犯などを防止するためのカウンセリングなどによる治療法)