自民党内で新たな議員グループ「国力研究会」が発足することになりました。

発起人には麻生太郎副総裁、小泉進次郎防衛大臣、茂木敏充外務大臣、小林鷹之政調会長といった、そうそうたる顔ぶれが名を連ねています。

その狙いはどこにあるのか。そして、なぜ“今”なのでしょうか。

元日本テレビ政治部で官邸キャップなどを務めた政治ジャーナリスト青山和弘氏が解説します。

■「国力研究会」とは?

「国力研究会」とは、政府与党一体で高市政権の政策を推進する会だということです。

発起人には麻生太郎副総裁、小泉進次郎防衛大臣、茂木敏充外務大臣、小林鷹之政調会長などで、今月21日に初会合が予定されています。

■自民党内では“派閥的な動き”が静かに復活しつつある

「国力研究会」は何を狙ってつくられるのでしょうか。

青山氏は「ことし2月の衆院選後、自民党内では派閥的な動きが静かに復活しつつある」としたうえで、こう解説しました。

【青山和弘氏】「いろんな人たちがグループを作っていて、新人議員が66人も入ってきたので、その人たちを囲い込もうとしてきているわけです」

そして何より大きいのが、来年9月に控える「自民党総裁選挙」の存在だといいます。

【青山和弘氏】「高市さんが再選される可能性は十分ありますが、党内基盤はまだまだ弱い。いろんな動きがある中で、高市さんも何かカウンターを打っておくべきじゃないか。

総裁選を見据えたときに、1つ“かたまり”となるような動きをしておくべきじゃないかということで、側近たちが考えてこの国力研究会を作ったということです」

■麻生副総裁と距離がある人物は現時点では呼ばれず

では、この国力研究会は従来の自民党の派閥と何が違うのでしょうか。

青山氏は「派閥というよりは、自民党の中で高市政権を支持する主流派みたいなものをつくっていると見た方が近い」と指摘します。

発起人の麻生副総裁は麻生派のトップです。つまりこの会は、既存の派閥を横断した「掛け持ち」の形を取っており、純粋な派閥とは一線を画しています。

それでも、誰をトップに据えるかは極めて重要でした。

【青山和弘氏】「麻生さんは自民党の中でも重鎮中の重鎮。麻生さんをトップにすることで『非常にしっかりした組織ができるんじゃないか』ということで麻生さんを中心にした」

ただ、麻生副総裁と距離がある人物は、この段階ではまだ「国力研究会」に呼ばれていないと推測します。

青山氏が名前を挙げたのは武田良太衆院議員や林芳正総務大臣です。前回の総裁選に出た候補者がずらりと発起人に並ぶ中、林芳正総務大臣だけが入っていないことについて、「林さんと麻生さんはやはり距離があるんですよ」と述べました。

■高市総理と麻生副総裁らが焼き魚定食ランチ会

国力研究会の発足と並行して、もう一つ注目すべき動きがあります。高市総理と麻生副総裁らが先月、ランチ会を開いたのです。

焼き魚定食を食べながら意見交換を行ったというこの会合。自民党の幹部が「しっかり意思疎通をするという姿勢の表れ」と述べており、高市総理はランチ会を定例化する意向も示しています。

高市総理はこれまで、夜の会食が少ないことで知られています。
本人も苦手と公言しており、“飲み食いしながら”という政治文化とは距離を置くスタイルを取ってきました。

しかし、このところ「独裁色が強まっている」という批判も上がる中で、少しずつそのスタイルを変えようとしていると青山氏は話します。

【青山和弘氏】「最近は夜(の会食)も週に1回ぐらい入れるようにしてきてますし、スタイルを徐々に変えようという1つの表れだと思いますね」

■「国力研究会」の規模は300人に達する勢いか

「国力研究会」の規模は大きくなるとみられます。

【青山和弘氏】「おそらく自民党の議員の半分以上がもう入るんじゃないか、300人に達するんじゃないかと言われている」

そうなると、派閥的な縛りはつけにくいといいます。
「あとはそのときの政治情勢次第」というのが青山氏の見立てです。

青山氏によると、このグループに入らないことで、「高市政権に協力していないように見られるんじゃないか」と思われたり、“非主流派”と見られたりすることで、分断にもつながる懸念があるということです。

青山氏によると、会費はわずか月額300円だといい、「300円ぐらい払って非主流派と見られないで済むなら入ってくるだろう」と述べました。

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年5月11日放送)

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