人口減少が加速する福島県南会津町。かつての学び舎である旧檜沢中学校が、2025年に「ドローンスクール」として再始動した。この地に惹かれ、埼玉県から移住を決めたのは68歳の蒲池一郎さんだ。一度は諦めかけた「ドローンで農業を救う」という夢。官民一体となった地方創生事業と、そこで生まれた新たなコミュニティが、シニア世代の挑戦を後押ししている。

ドローンで人口減少対策

2025年に南会津町に開校した南会(なんかい)ドローン中学校。
閉校した旧檜沢中学校に、約8年ぶりに戻った“生徒”が学んでいたのは、ドローンの操縦や活用方法だ。福島県の人口減少対策加速化事業の一環で、これまでに20人が修了している。

2025年 南会ドローン中学校が開校
2025年 南会ドローン中学校が開校
この記事の画像(6枚)

一方、蒲池さんは南会ドローン中学校に入学していないが、広がりつつある地域コミュニティーに惹かれて移住した。

農家の力になりたい

目指すのは、仕事で全国各地を転勤するなか抱くようになった「高齢化や少子化に苦労する農業従事者の力になりたい」という夢の実現だ。

2026年3月 移住先の南会津町で荷解きをする蒲池さん
2026年3月 移住先の南会津町で荷解きをする蒲池さん

蒲池さんは「何かできないかなと思い、それがドローンだった。ところが個人でやるには、大変な高額」と話す。
一度は諦めかけたこともあったが、いま実現に向けて動き始めている。

ドローンで広がるコミュニティー

南会ドローン中学校の修了生を中心に発足したコミュニティー「HAKOBUNE(はこぶね)」。蒲池さんは、メンバーと共にドローンの練習などに励んでいる。

修了生を中心に発足したドローンコミュニティー
修了生を中心に発足したドローンコミュニティー

メンバーは「どんどんコミュニティーを広げて、より多くの方に興味をもって頂ければこの町の発展とかにも役立つと思う」と語る。

目指す姿を間近に感じて

HAKOBUNEの代表を務める星拓朗さんは、蒲池さんが関心を寄せる測量や農薬散布などの分野で活躍している。
星さんは「近年多いクマとか、獣害対策。農薬散布など、これからどんどんドローンの需要が増えていくのでは」と話す。

星さん(左)の技術を学ぶ蒲池さん(右)
星さん(左)の技術を学ぶ蒲池さん(右)

サーマルカメラやレーザーなど、専門的な装備が搭載された産業用ドローンの操縦には高度な知識と技術が不可欠。こうしたプロの技を見て訓練を重ねられる機会が、刺激になっている。

夢が叶う日も近い
夢が叶う日も近い

「色んなドローンお持ちで、いろいろ研究しているHAKOBUNEの先輩たちの技術指導。そういうのを勉強しながら、少しはお役に立てる時期がくるんじゃないかと期待している」と語る蒲池さん。移住先で芽吹いた夢。花開く日が近付いている。

(福島テレビ)

福島テレビ
福島テレビ

福島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。