4月17日、国内シェア約4割を占める岡山県和気町のこいのぼり製造会社では5月5日の端午の節句に向けて生産がピークを迎えていた。取材を進めると、そこには社会に合わせて変化する伝統産業の姿があった。
生産が最盛期を迎えたこいのぼり製造工場。目の前で、なんと25mもある巨大サイズのこいのぼりが裁断されていく。
岡山県和気町の創業79年の製造会社「徳永こいのぼり」。こいのぼりの生産では国内シェア4割を誇る。端午の節句に向けて従業員は裁断や縫製などの作業に追われていた。
◆人が中をくぐれる長さ25メートルの巨大サイズも…ライフスタイルにあわせ約100種類を製造
この会社では大小含めて約100種類を製造。25メートルの巨大こいのぼりは中を人がくぐれるようになっていて、イベントで使われるそうだ。
他にもこんなこいのぼりが。
上品な黒を身にまとったこいのぼりの全長は約4m。この長さは外に掲げるこいのぼりの平均的なサイズと言われている。
約170cmのものはベランダに掲げるこいのぼりの一般的なサイズとも言われている。
また、室内こいのぼりは、てのひらの上に収まるサイズ。近年ではこうした10cm台の室内こいのぼりも登場している。
庭のない集合住宅などで暮らす人が多くなる中、生産現場でもこいのぼりを少しずつ変化させているという。

◆原油高騰に材料の入手困難…急激な社会環境の変化は伝統産業も影響
一方、ここ最近の急激な社会環境の変化には戸惑いも・・・。
徳永こいのぼりの永宗洋専務は「染める工程で飾る台に温める熱を持たせるが、そこに原油を使うのでその高騰が価格にも影響している」と現状を語る。こいのぼりの金箔を入れる時に溶剤を使うそうだが、その溶剤も手に入りにくくなっているという。

◆緊迫する中東情勢で苦しい中…平和の象徴的な存在「こいのぼり」で多くの人を元気付けたい
伝統産業でも向かい風となっている物価高騰。さらに中東情勢の緊迫化で原油の輸送が影響を受けていて、関連する原材料の調達などにも懸念が高まっています。
德永こいのぼりでは2026年、約100万匹の出荷を見込むこいのぼり。社会の風を受けながら、多くの人を元気付けようとしている。苦しい状況の中、永宗さんは、世界中で戦争が行われている今だからこそ、子供の成長を願ってきたこいのぼりが持つ意味を発信したいと語る。
「戦争は平和にならないことの象徴。こいのぼりは逆に平和の象徴的な存在なので、早く収まりみんなが幸せになることを望む」
(岡山放送)

