スーパーの棚に並ぶゴミ袋が減っている。

千葉県市原市では45リットル50枚入りのゴミ袋が品薄状態となり、「ひと家族2点まで」という購入制限が設けられました。

宮城県大崎市では、指定のゴミ袋でなくても、袋にごみの種類を記載すれば使用可能というルール変更が行われています。

沖縄県与那原町では、袋に文字をプリントするためのシンナーまで不足しているため、袋全体に色をつけて種類を区別する対応を取っています。

■「ゴミ袋だけじゃない 包装材にも影響」

こうした事態の背景にあるのが、原油を蒸留して得られる石油化学原料「ナフサ」の不足です。

ナフサはプラスチックや合成繊維、食品トレー、ゴミ袋など、私たちの生活を支える無数の製品の原料となっています。長引く中東情勢による原油供給の不安定化が、その調達に深刻な影響を与えています。

影響はゴミ袋にとどまりません。

綿棒はこれまでプラスチックケース入りが主流でしたが、現在は紙箱に切り替わりつつあります。

ある菓子メーカーは梅おかきの新商品でパッケージを制作しようとしていましたが、ナフサ不足で断念。試作品段階の無地のシンプルなパッケージのまま、成分表示はシールで貼るという形での販売を余儀なくされています。

■「3割の企業で調達に影響が出るかもしれない」

関西テレビの神崎博解説デスクは、「ナフサは日本経済のウィークポイント」だと指摘します。

調査では、プラスチックや合成繊維などを製造する「化学工業・石油・石炭製品」の分野を中心に、約3割の企業で調達に影響が出る可能性があることが分かっています。

スタジオで使われるフリップも例外ではありません。

シールにインクで印刷されたパネルには石油製品が使われており、国民民主党の上田清司議員はは4月27日の参議院予算委員会で国会質問で使う“パネル”が値上がりしていると指摘。「今まで3000円だったパネルが4000円になった。33%上がった」と実物を示しナフサ不足の影響が広がっていると訴えました。

■「価格転嫁していく動きが強まるかもしれない」

包装材の高騰は、食品の値上げという形で家計にも直接跳ね返ってきています。

日清オイリオの「キャノーラ油」は6月から最大15%の値上げ。明星の袋麺も最大10%の値上げが予定されています。原材料費の上昇に加え、包装材コストの増加が重なった結果です。

5月も石油化学製品の値上げは続く見通しです。

こうした状況について、元毎日新聞記者でノンフィクションライターの石戸諭氏は次のように分析しています。

【石戸諭氏】「日本経済は比較的、原油高に対して値上がりしにくい、値上げが波及しにくいという傾向があった。それは企業努力もあり、なかなか価格転嫁しないというのもあった。だけど昨今、価格転嫁していくことが当たり前になっている。そういう中では、もしかしたら影響が出てくるような方向になるかもしれない」

石戸氏はさらに、過去の石油ショックを教訓に整備された政府・民間の石油備蓄の仕組みに触れ、「直ちに必要はないと思うが、本当にこれから先1年、2年と続いていくことになると、今みたいな形で原油を使うのを控えていきましょうといったことが進んでいくかもしれない」と述べました。

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年4月30日放送)

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