「ガオー」
こちらに向かって飛び掛かり、吠え続ける巨大なクマ。
柵に体を打ち付けながら、繰り返し威嚇。
体長約2.2m、冬眠明けにもかかわらず丸々と太り、体重は330キロあるという。

クマが捕獲されたのは北海道北部の苫前町長島地区。周辺には麦やデントコーンなどの畑が点在するエリアだ。
例年クマが出没し、2026年も既に人里近くで複数回目撃されていた。
これを受けて箱わなを数日前に設置したところ、その日の夜に捕獲。
捕獲された巨大なクマは4月27日、駆除された。

地元猟友会は…。
「春に見たクマでここまで大きな個体は見たことない」(地元猟友会)
苫前町では2025年も巨大なクマが繰り返し出没し、400キロ級のクマも捕獲されるなど、あわせて7頭が駆除された。

2026年は周辺にさらに他の個体も生息しているとみられ、緊張状態が続くが、春から巨大なクマに悩まされる町はほかにも…。
「(弾が)5発6発当たっているのにそれでも死ななかった。あんなにしぶといクマは初めて見た」(ハンター)
26日、後志の島牧村では、クマの駆除にあたっていた69歳の男性ハンターがクマに襲われ、ケガをした。

「無線で『もう1頭上から出てきた』と」「男性に覆いかぶさった状況で…」(ハンター)
当時、春グマ駆除のため仲間と山へ入っていた男性。
2頭を駆除したところで、さらに別のクマが沢の上に現れ仲間が発砲したところ、クマは転げ落ち男性のもとへ…。

「(クマが)覆いかぶさっていたので男性に危害がないよう離れるのを待って声を出して威嚇して離れた時に撃って」「必死に防御をしていたのでそれが幸いしているのかな」(ハンター)
頭や顔にケガを負ったものの、男性は一命を取り留めた。
クマはその後駆除されたが、体重280キロと大きな個体だった。
2025年は山のドングリなど木の実が極めて不作で、市街地へのクマ出没が相次いだ。

山がエサ不足の中で冬眠に入ったとされるクマが、冬眠から明けた春になぜ体重300キロを超える状態で現れるのか。
「恐らく山の実りにかかわらず、例えば畑に出てデントコーンのような農作物を食べることで栄養不足にならず、十分に太って冬眠できた個体の可能性が高い」(酪農学園大学 佐藤喜和教授)

佐藤教授によると、一般的にクマは冬眠で2~3割体重が減るといわれ、苫前町のクマは400キロを超える状態だった可能性がある。
腹をすかせた冬眠明けのクマが動くこの時期、十分注意が必要だ。

冬眠明けにも関わらず、巨大クマの目撃が相次いでいる北海道。
今シーズンのヒグマ出没について、佐藤教授は「木の実の豊凶は1年ごとに繰り返す傾向があり、今年は去年より実りがよくなる見込み。山にエサが豊富にあるため、人間にとっては比較的静かな1年になるのではないか」と予想する。

ただし、出没が減ったとしても安心はできない。
苫前町のヒグマのように、山の実りに関係なく畑の作物で巨大化し、繁殖するクマが増えている可能性があるため、佐藤教授は「今年は事前の対策を進める1年にすべきだ」と訴える。

畑や果樹園への侵入対策の強化、その費用負担や持続可能な仕組みづくりなど、具体的な取り組みを2026年のうちに進めるべきだと強調した。
山菜採りなどで山に入る機会が増えるこの時期、十分なクマ対策が必要だ。