春先に、なぜ「住宅街」に出没し、人を襲ったのか。

クマの生態に詳しい立山カルデラ砂防博物館の白石俊明さんに聞きました。

*立山カルデラ砂防博物館 白石俊明学芸員
「上空から俯瞰した地図を見ると神通川がある。常願寺川やその他の河川を通じて一旦海岸に出たクマが南下してきたということも考えられる。平野で市街地であるとはいえ、やぶや屋敷林、畑などもあって、クマが身を隠しながら移動してしまうルートはあったのだろう」

また、春先の出没について…。

過去の事例からもこの時期に市街地に出没するケースは今後も十分あり得ると注意を呼びかけています。

*立山カルデラ砂防博物館 白石俊明学芸員
「2021年の5月、高岡高校の敷地内に若いクマが進入し、駆除されたという事例もあった。オスの成獣やメスの成獣がエサを求めて市街地に出てきてしまうことも考えられる。過去の富山県内の出没状況を考えると十分ありうる」

また、白石さんは、市街地に出没するクマには十分な注意が必要と話します。

*立山カルデラ砂防博物館 白石俊明学芸員
「元々の生息地外に出たクマは自分が隠れるべき場所とか、逃げるべき方向を把握していない可能性がある。人と出会ってしまうと気が動転している、落ち着いていないクマは人を襲い、襲っている間に逃げ道を確保する可能性が高い。帽子やヘルメットを装着する。襲われたときに皮膚の露出を防ぐためのリュックやランドセルを背負う。どうしても逃げられないときは、決して重傷化しないように防御姿勢をとる心構えを。クマ問題を自分事として捉えてできる対策や装備を整えてほしい」

白石さんはこのほかにも、外出する際に、自宅の庭などに潜んでいる可能性も考え玄関のドアをすぐに開けず物音を立ててから開けるとういのも効果的だと話していました。

また、29日夜の富山市以外にも30日は南砺市や上市町、小矢部市などでクマの目撃、痕跡情報が報告されています。

富山県が提供する、「クマっぷ」で確認出来ます。

お住いのエリアで目撃や出没情報がないか、こまめに確認するようにしてください。

今回クマが出没したのは海に近い地域で、川沿いに移動したとみられています。
これに新田知事は、「できるだけ早く河川敷の樹木の伐採を検討したい」と述べました。

*新田知事
「今回、海の近いところで出没したということはやはり“河川敷ルート”が改めて現実に。河川敷の伐木についてできるだけ早期に実施できるよう検討していきたい」

新田知事は30日の会見でこのように述べ、河川敷の樹木の伐採について、今後河川の管理者など関係者と情報共有した上で、中長期的な対策を検討し、「1日でも早い実施に道筋をつけていきたい」としました。

一方、県では、去年秋にクマの出没や人身被害が相次いだことを受け、個体数管理のための捕獲を先月末から始めています。

高度な技術を伴う春の捕獲は初めて行われるもので、ハンターの育成も兼ねて、富山市有峰地区で来月まで実施されます。

県によりますと今月28日までに10頭を捕獲したということで、今後、他の地域にも広げられるよう検証を進めることにしています。

また、先ほど県は緊急の対策会議を開き、市町村などと情報を共有しました。

会議で立山町の担当者は、年間160から170頭ほどに定められているクマの捕獲上限数をさらに拡大すべきと訴え、県は、今後検討する考えを示しました。

クマによる人身被害を受け、県は30日ツキノワグマ出没警報を発令し不要な果物の木の伐採や、生ごみの処分を徹底するなど、クマを寄せ付けない対策をとるよう呼びかけています。

富山テレビ
富山テレビ

富山の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。