アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃から、2カ月が経ちました。日本は原油の9割以上をホルムズ海峡を経由して輸入しています。ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続くなか、その影響は、ガソリン価格の高止まりや石油化学製品の供給の停滞など私たちの生活へと広がっています。
石油由来の原料は医療物資にも使われていて、医療機関は安全な医療を提供するため、物資の確保に追われています。
(森山裕香子記者)
「アメリカとイランの戦争が始まって、2カ月が経ちましたが、いまだその影響は落ち着くことなく、私たちの身近な医療機関にまで及んでいます」
宮崎県宮崎市のひまわり歯科です。16台の診療台があるひまわり歯科では、1日あたりおよそ100人から150人の患者が訪れます。診療に欠かせない医療用手袋は、1日400枚から600枚を消費するといいます。
(ひまわり歯科柿崎陽介院長)
「備蓄がどんどん減っていっていますね。例えば、うちだと1日に4箱無くなってしまうので、あっという間に無くなるということですね」
医療用手袋には、石油由来の合成ゴム製と、天然ゴム製のものがあります。ホルムズ海峡が事実上封鎖されるなか、輸入に頼っている医療用手袋は、どちらも入手が困難になっています。
(ひまわり歯科柿崎陽介院長)
「スムーズに入ってきていたものが、数量制限が結構早い段階でかかってきて、欲しくても買えない。買えても高いという感じになっています。特に歯科は非常に患者さんと近い距離で診療するので、グローブがないと全く仕事にならないということになるので」
中東情勢の悪化前と比べ、価格はおよそ1.5倍に上がっています。ひまわり歯科ではコロナ禍の経験も踏まえ、在庫の確保について通常の1カ月から〜2カ月分から半年分に増やすことを目標に、複数のメーカーとの取引やオンラインでの購入など対応を急いでいます。
(ひまわり歯科柿崎陽介院長)
「基本的に医療製品は使い捨てが多いので、処置をまとめたり手順を見直すなど、無駄がないようにしています」
ひまわり歯科では、手袋を使う処置をまとめて行うほか、器具の洗浄乾燥機を導入するなど、使用する量を減らす工夫をしています。
(ひまわり歯科柿崎陽介院長)
「買おうと思ってもない。メーカーなども持っていませんという状況になるので。備蓄のことなどを考えさせられますね」
政府は5月1日から、備蓄している医療用手袋5000万枚を放出する方針です。
ひまわり歯科では、政府の放出に期待を寄せていました。ただ不足しているものは他にもあり洗浄、乾燥した器具を入れる、滅菌用パックも在庫が不足しています。また、日常的に使っているという歯磨き粉も一部製品の販売休止のお知らせがあったということで先が見えない状態に医療関係者は不安を感じています。