日常生活に不安を抱えるも、周囲の理解が得づらい「IBD」と呼ばれる難病の患者が増加しています。

当たり前の日常を取り戻そうという、医師らの取り組みを取材しました。

朝の通勤ラッシュや、混雑する行楽地。
「トイレが近くにないと不安」、そういうあなたは、IBD(炎症性腸疾患)かもしれません。

IBD患者さんの日常生活を彩る会・代表理事 日比紀文慶大名誉教授:
人から見ると普通の人。パッと見ると病気があるかどうか分からない。だけど、その人にはいろんな悩みがあるのがこの病気の特徴だ。

IBDは大腸などの消化器に炎症が起きることで、激しい腹痛などを発症する特定難病で、主に潰瘍性大腸炎やクローン病などが含まれます。

現時点では原因が特定されていないため、根本的な治療法は確立されていません。

2007年に辞任した安倍元総理も、このIBDを患っていたとされています。

患者の数は全国で推定約41万人。
20代から30代の若者に多いのが特徴です。

こうした患者に寄り添い、正確で偏りのない情報を発信することで、理解を深めるという試みも。

25日に初めて行われた交流会には、患者や医師約40人が参加。
日常生活の困難や問題点など、意見を出し合いました。

患者:
トイレが逼迫(ひっぱく)している時は貸してもらえる状態が普及するとよい。

医師:
患者一人一人から見ると孤独だと思う。(改善には)みんなで情報を共有することだと思う。

25年前の高校生のころ、日常的な激しい腹痛などに苦しんだという40代の患者は「おなかが痛いなという感覚がすごくあって、血便が出てしまい病院に駆け込んだら、潰瘍性大腸炎という病気になっていた」と話しました。

その後、治療を始めたものの、トイレに行く回数が急激に増え、トイレがあるかどうか不安で、行動範囲が限定されるなどしました。

職場などで周囲の目にも悩んだといいます。

患者(40代):
周りが温かい気持ちで(トイレに)どうぞ行ってくださいという形でやっていただけたら、安心してトイレ行けた。

医療技術や薬の進歩によって、炎症を抑えた状態を保つことができるようになってきているというIBD。

IBD患者さんの日常生活を彩る会・代表理事 日比紀文慶大名誉教授:
普通の人として不安がない、心配がない、そういう生活ができるような形をつくっていきたい。