人気ゲーム・ポケットモンスターのキャラクター、ヌオーの被り物をした高知県四万十市の山下元一郎市長の姿がSNSでバズっている。Xでは《ポケモンで街おこし本気すぎる》といった反響を呼んだ。
きっかけは、4月17日に高知さんさんテレビがYouTubeで公開したニュース映像だ。
映像は、清流・四万十川の佐田沈下橋やトンボ自然公園などの観光スポットを巡るラッピングバス『ヌオー号』が翌18日から四万十市内を周遊することを伝えるものだ。市長が「移動そのものをワクワクさせる、新しい四万十の風景となる」と期待を語るシーンもある。
この場面にヌオーファンのXユーザー「さんかく」さんが注目した。ニュース映像の一部を引用し、《四万十市長、気合い入ってて素晴らしい》と投稿すると、21日までに440万回以上表示された。
この投稿を見た多くのユーザーからは《真面目なスーツ姿にヌオーの帽子っていうギャップが堪りませんw》《市長さん楽しそうでいいね!》などと、好意的な反応が相次いだ。
市の担当者によると、被り物は式典に参加する子どもたち用に準備していたサンバイザーで、それを見た市長がその場で自分も被ることを提案したのだという。
山下市長は取材に対して「注目していただき、大変うれしく思います。これをきっかけに四万十市にお越しいただけましたら、ありがたく思います」とコメントしている。
高知だいすきポケモン・ヌオーが地域をPR
『ヌオー号』誕生の背景にあるのは、高知県が2024年に株式会社ポケモンと結んだ連携協定だ。その際、「高知が誇る清流の仁淀川や四万十川に住んでいそう」と、ヌオーが『高知だいすきポケモン』に就任した。
県民に愛される『ミレービスケット』や、土佐茶のペットボトルなど、高知ならではの商品とコラボしているほか、ヌオーの路面電車も走行中だ。さらに県内18か所に『ポケふた』と呼ばれるヌオーが描かれたマンホールのふたも設置されている。
2025年度には、『ポケふた』や観光施設をめぐるスタンプラリーが実施され、3983人が参加した。県によると、狙いは周遊観光の促進だ。2024年度にもイルミネーションをめぐるヌオーのスタンプラリーを実施していて、ヌオーの企画は他のスタンプラリーに比べて参加者が集まりやすいという。
Xの投稿主「さんかく」さんは大分県在住だが、ヌオーのグッズや路面電車を見たいと去年、初めて高知を訪れたという。メールでの取材に対して「(高知は)自然が綺麗でヌオーにも出会えてとてもいい場所でした。もっとヌオーとのコンビで高知が盛り上がって欲しいですだぬ!(ヌオーの語尾です)」とキャラクター愛あふれる回答を寄せる。
“バズ”を“成果”にどうつなげる?
高知県では2025年、朝ドラの舞台となったことやクルーズ船の客が倍増したことで、観光総消費額が1381億円と過去最高となった。さらに、4月9日には、四万十市のお隣・土佐清水市出身のジョン万次郎の大河ドラマ化が発表され、高知の観光には追い風が吹いている。
一方、4月20日には県人口が64万人を下回り過去最低となったことが明らかになった。ピークの1955年に比べると24万人以上の減少だ。地方を取り巻く現実は厳しい。
『ヌオー号』も最初の土日2日間の利用者は10人程度にとどまり、地域経済への波及効果はこれからだ。
“おらんくの推しポケモン”が集めた今回の注目を、実際の来訪やリピーターの増加といった成果にどうつなげるのか?
龍馬やジョン万のような既成概念にとらわれない自由な発想を次の一手に生かせるかが問われている。
