「思い入れのある銃だった。とんでもない暴挙だ」(北海道猟友会 砂川支部長 池上 治男さん)
憤りをあらわにするのは北海道砂川市のハンター、池上治男さん。
池上さんはクマの駆除を巡り北海道公安委員会から猟銃の所持許可を取り消された。
その後、裁判を起こし3月に最高裁で処分の取り消しを勝ち取ったばかりだ。

「池上様にご不便、ご負担をおかけしたことに対しおわび申し上げます」(北海道警察の担当者)
判決から約2週間後、北海道警察の担当者が池上さんの自宅を訪ね猟銃1丁を返却した。

銃が手元に戻ったのは8年ぶりとなる。
その銃を携え、クマのパトロールに出向いた。

しかし、その表情はさえない。
「これは当該の銃じゃない。早くその銃を返してほしい」(池上さん)
駆除したクマの前で銃を抱える写真。
かつての池上さんの姿だ。
裁判のきっかけとなったクマを駆除したのもこの猟銃だった。
そして何より、この銃は狩猟仲間から譲り受けた形見の品であったという。

「『支部長、何とか使ってほしい』と託された銃を持って『私はあなたの代わりにこの銃を人のために使う』と別れた。その後、すぐ亡くなった」(池上さん)
その思い出の銃が返ってこない事態。
池上さんの弁護士によると。
「検察庁の回答によると、池上さんが所有権放棄書というものを提出したという。捜査が終わったので、銃を廃棄したと。非常に憤りを覚えている」(池上さんの代理人 中村 憲昭 弁護士)

警察は池上さんの猟銃を証拠品として押収した。
その後、池上さんからその所有権を放棄するという書類を得たというのだ。
それに基づいて適切に廃棄したという。
「とんでもない暴挙だ。(所有権を)放棄したと書いた覚えもないし、すぐに返してと表明している。適正に廃棄したというが、何が適正なのか意味がわからない。誰が理解できるというのか」(池上さん)

池上さんの怒りは収まらない。
今後、弁護士を通じて猟銃が廃棄に至った詳しい経緯の開示請求などをする方針だ。
札幌地検はUHBの取材に対し「今回の件にお答えすることはできません」と回答している。
