鉄道の魅力を熱くお伝えする野川キャスターの「てつたま」です。
前回に引き続き、関西の大手私鉄、京阪電車を取材しています。
今回は伝説の車両の登場です。
それでは…出発進行!

【野川諭生アナウンサー】
「もう私の愛しの人ですね、8000系でございます。もう京阪電車の、まさに『顔』」

京阪電車の寝屋川車庫にお邪魔して、これまでに特急型車両の8000系。
さらには、中之島線の開業に併せて登場した3000系と京阪を代表する車両を取材してきました。
これら京阪電車の全車両は2010年の創業100周年に合わせてデザインを一新。
これを手掛けたのが、広島のデザイン会社、GKデザイン総研広島でした。
リニューアルは車両デザインだけでなく、駅のサインや備品などにも及ぶトータルデザインという形だったのです。

【京阪電気鉄道株式会社 大阪エリア駅長 大里武志さん・野川アナ】
「駅の出入口のサイン。ここがGKデザイン総研広島のデザインによって生まれ変わったと聞いています」
「いま現在、黄色の表示は出口の表示。また入口の表示は青の表示がされています」
「どの駅に行っても、出口を見たければ黄色のものを見ればいい。乗るときには青のものを見ればいい。統一されて非常に見やすくなったなと」
「そうですね」

リニューアル以前は、同じ路線でも駅名や行き先の表示など色やデザインがバラバラでした。
これを、哲学に基づき一貫したデザインへと変更。
駅全体を見渡すと洗練された雰囲気が漂っていますよね?
それでは寝屋川車庫へと再び戻って…。

【京阪電気鉄道株式会社 車両部技術課 西尾 亮一さん・野川アナ】
「この先にあるのがレジェンド車両?」
「レジェンドです」
「レジェンド!レジェンドですよ…いらっしゃいました!『大津』と行き先があがっていますけれども、こちら。通称『びわこ号』でございますね。普段は・・・」
「見ることができません」
「なるほど。今日は特別にレジェンドのお顔を」
「はい」
「いいですね。昭和の空気をムンムンとさせたリベット打ち…リベット打ちをされているんですけども、流れるようなフォルムになっているのがわかりますか?これは昭和初期に世界的に流行った『流線形』ですね?」
「はい」

びわこ号は大阪・天満橋駅と現在のびわ湖浜大津駅を直通運転するため、1934年に製造されました。
京阪本線と京津線を直通運転していたこの列車には、それぞれの路線の特徴が反映されています。

【京阪電気鉄道株式会社 車両部技術課 西尾 亮一さん・野川アナ】
「この扉をまず見てもらいたいですね。ちょっと大きさを覚えておいて下さい。そして奥の扉・・・こちら。随分と(ドアの)長さが違うのが分かるんじゃないかなと」
「この低いところはいわゆる路面電車、あちらに見えている普通の扉に見えるのが、いわゆる専用軌道のホームに対応した2種類の高さを持つ車両なんです」

京津線はもともと路面電車が走っていた路線で、現在は「見た目は普通の電車」が路面電車として街中を駆け抜ける姿を見ることができます。

【京阪電気鉄道株式会社 車両部技術課 西尾 亮一さん・野川アナ】
「上を見てください、実はパンタグラフがついているんです。ただ、大津の区間はトロリーポールで走っていますので。実はですね、パンタグラフとトロリーポールを2つ搭載しているんです」
「なるほど確かに一番前のところにトロリーポールがついていますね」
「京阪線ではパンタグラフから、大津線ではトロリーポールから集電する」

さらにこの車両には、日本初の技術が採用されていました。

【京阪電気鉄道株式会社 車両部技術課 西尾 亮一さん・野川アナ】
「これは噂で聞くところによると、日本初の『連接台車』だったという話が…」
「当時、日本初ですね」
「本当に京阪としてももちろんですし、日本の鉄道史上でも非常にエポック・メイキングな。本当に画期的な車両であったと」
「そうなんです」

それでは、びわこ号の車内へ。
ほとんどが木製で、車両の銘板も右から左へ書かれているのが、昭和の雰囲気を漂わせていますよね。

【京阪電気鉄道株式会社 車両部技術課 西尾 亮一さん・野川アナ】
「中を見ると、連接台車のつなぎ目のところなんか面白いじゃないですか」
「ここが面白くてですね、実は当時、京阪線では車両と車両の間を行き来することはできなかったんです」
「はい」
「このびわこ号は新しく貫通路というものを設けまして、京阪としてはこれが初なんです」
「京阪初の貫通路!」
「はい、これでお客様の利便性が大きく向上しました」
「私たちはいま、車両と車両の間を行き来するなんてなんら特別なことではないですけれど、そこにも技術の進歩があって。初めてそれが京阪で設けられた車両ということで、画期的なことだったんじゃないですかね。ちょっと『特別なことなんだよ』感が、このフォルムから出てますよね、ステージみたいな。いいですね。声がここはよく響きますよ」

【京阪電気鉄道株式会社 車両部技術課 西尾 亮一さん・野川アナ】
「どうぞ。よかったら運転してみてください」
「いいんですか?横開き・・・。失礼します。非常にコンパクトな印象ですね」
「そうですね」
「当時の方の体格もあるんでしょうけど。そして西尾さん、スピードメーターがないですね」
「当時は体感が全てですね」
「そうなってくると職人の技ですね」
「職人気質の方が多かったという風に聞いています」
「いやー。流線系の車内がこうなっているんだな、先端はこうなっているのか、ということで。木の使い方も外から見るだけではわからない。昭和の香りがしてきます。あとはいま偶然、いまなお増産が続いている13000系が(線路の先に)いるという。歴史のバトンではないですけど、ちょっと巡り合わせの不思議な感じもしますね」
「そうですね。京阪線最古の電車と最新の電車がいま、向かい合ってるわけですからね」
「これ、ちょっと。偶然にしてはできすぎな構図ですね、ちょっとね」

次回で京阪シリーズも最終回。
ミュージアムで京阪の歴史に残る名車を体感します。

テレビ新広島
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