東京電力は4月14日、福島第一原子力発電所2号機での原子炉圧力容器の内部調査を開始したが、トラブルによって中断した。
ファイバースコープを用いて放射線量の測定や映像撮影を実施する予定となっていたが、スコープが途中で進まなくなってしまったという。その後、引き戻したり押し入れたりを繰り返したが状況は変わらず、東京電力は「原因は調査中」としている。

原子炉圧力容器は格納容器の内側にあり、燃料棒を覆う“原子炉の本体”。事故を起こした原子炉でスコープを使って内部調査が行われるのは初めてとなるはずだった。

計画の段階では、原子炉内の水位を測定するために使われている直径約2.5cmの配管を利用して、先端の直径が約5mmのファイバースコープを圧力容器の中に入れる予定で、配管は一直線ではないため、格納容器の外まで作業員が近づき人力で慎重にスコープを押し込んでいくはずだった。

2011年の福島第一原発事故当時、1~3号機は稼働中で炉心に核燃料が格納されていたが、地震と津波で電源が失われたことで炉心を冷やす機能が喪失。核燃料が過熱し、金属やコンクリートを巻き込んで冷え固まったものが“燃料デブリ”となった。
2号機でもこの“燃料デブリ”が、圧力容器やそれを覆う格納容器の内部に残されているが、今もなお、強い放射線を発し続ける燃料デブリに人が直接近づくことはできないため、正確な位置や形状の全容は把握しきれていない。
2号機ではこれまで、格納容器内での燃料デブリの試験的取り出しを計2回実施し、合計約0.9gを採取した。一方、その中の“原子炉本体”圧力容器内部に残存する燃料デブリについては、必要な調査が実施できていなかった。
圧力容器の内部には、燃料を覆っているステンレス製の“シュラウド”と呼ばれる構造物がある。東京電力によると、業務用の寸胴鍋をひっくり返したような構造物で、今回の調査ではこの“シュラウド”と圧力容器内壁との幅約38cm程度の隙間にスコープを差し入れる計画。
“シュラウド”に大きな変形がないか、健全かどうかも映像などで確認し、燃料デブリのさらなる取出しに活かしていきたいとしていた。


福島第一原発での事故を起こした原子炉の調査をめぐっては、2026年3月、3号機の格納容器内で、“圧力容器”とみられるものが撮影されたことがある。
これは格納容器内に超小型の“マイクロドローン”を飛ばして行った調査で得られた映像から分かったもので、圧力容器の底と見られる部分には“つらら”のように付着物がつき、底部の断面と思われるものも見えたことから、東京電力は「圧力容器に穴が開いていると推定できる」としていた。本来は圧力容器の中にあるはずの構造物が落ちている状況も確認できたという。
関係者によると、「穴が開いているというよりは底が抜けているように見える」という。


福島第一原発に残る燃料デブリは1号機に279t、2号機に237t、3号機に364tの計880tと推計されている。
国と東京電力は2051年までの廃炉完了を掲げている。

福島テレビ
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