新学期や入学シーズンで生活リズムが変わりやすい春。
仕事や育児、介護に追われる中、注目されるのが“時間を買う”という選択肢だ。家事を人やモノに任せ、自分や家族のための時間を生み出す動きが広がっている。
家事代行サービス「一番人気は料理」
広島市内の住宅街。ある女性が家の鍵を開け、キッチンへ向かう。野菜や肉など買ってきた食材を取り出し、手を洗うと、手際よく調理し始めた。
実はこの女性、この家の住人ではない。仕事は「家事代行」だ。
「ママ楽サポート」を運営する西村佑紀代表取締役は、「1時間、2時間、3時間という形でスタッフがサポートにうかがっています。一番人気は料理」と話す。政府も家事負担の軽減に向けて利用促進を検討するなど、家事代行サービスへの関心が高まっている。
ベテラン主婦が作る“わが家好み”の食卓
ママ楽サポートは、2026年で創業10年目を迎えた。
スタッフ全員がベテラン主婦。料理や掃除、片付けなどを時間単位で請け負い、3時間のサポートは1回1万4850円(税込)だ。利用者の多くが“働くママ”だが、最近は健康を気遣う男性や、高齢者からの依頼も増えているという。
西村代表は、「お客様からお客様へご紹介いただくケースが非常に多い。最初の打ち合わせで細かくヒアリングし、子どもがいるので薄味に、副菜を多めに、減塩でなど、それぞれの希望に沿って作っている」と説明する。
この日、依頼を受けた家庭では、春キャベツのメンチカツにサラダ、鶏ごぼう、チャプチェなど、彩り豊かな6品が並んだ。依頼者は「旬の野菜をたくさん取り入れていただいて、私が作るのとは違う。野菜の食感もサクサクした歯ごたえがあったりして本当にいい」と、家事代行サービスの日を楽しみにしている。
「仕事も、自分の時間も大切にできる」
この家庭は約6年間利用を続ける“常連客”。月に2回、家主が仕事で留守の間に食事作りを頼んでいる。
「仕事をしていると帰宅が遅く、土日もほとんど家にいない。帰ってすぐ食べられるし、その分、自分の時間で好きなことができる。仕事もゆっくりできるので、とても助かっています」
普段は夫婦2人暮らしだが、「この日は豪華なので孫たちにも『食べにおいで』と声をかけて、一緒に楽しんでいる」という。
“家事を任せる”ことは、単なる負担軽減ではなく、家族の時間を増やすことにもつながっていた。
手頃な価格で頼れる“シルバー世代”
家事を頼れるのは民間サービスだけではない。人生経験豊富な“引退世代”も頼れる味方だ。「広島市シルバー人材センター」では、60歳以上の会員が活躍。草刈りや子育て支援など、対応は幅広い。
会員の仲間陽子さん(75)は、個人宅の掃除や洗濯など日常的な家事をサポートしている。仲間さんは台所のシンクをピカピカに磨きながらこう話す。
「やっていて本当に楽しいです。みんなの役に立つことですからね。家でじっとしていても面白くない。自分が動けるから、動きたい」
利用は月2回以上・1回2時間からで、料金は2時間2553円。比較的手頃な価格も魅力である。
進化する“時短家電”でもっとラクに
一方、他人が自宅に入る「家事代行」に抵抗がある人にとっては、家電も有力な選択肢だ。
家事の中でも負担が大きい“毎日の洗濯”。「エディオン広島本店」の原田翔さんによると、「最近は乾燥時間をグッと短縮できる機種も出ているのでドラム式洗濯乾燥機を選びたいという声が多い」という。
原田さんおすすめの機種は「ハイセンス ドラム式洗濯乾燥機」参考価格14万9800円。
自動投入機能によって洗剤や柔軟剤をその都度入れる手間がなくなるほか、外出先からスマートフォンで操作できる機能も備えている。さらに、ヒートポンプ式ならでは“時短”があるという。
「少量の衣類なら、風でしっかりとシワを伸ばしていけるので、ヒートポンプ式はアイロンをかける手間も省けます」
“掃除の見える化”でムダなく楽しく
次に向かったのは、掃除機のコーナー。ここにもユニークな進化が見られる。
「掃除機にスマホを装着!?」
取材した記者も驚いたのは「日立 サイクロン式コードレススティッククリーナー」参考価格5万9400円。
スマートフォンと連携できるこのスティッククリーナーは、掃除した場所を専用アプリ上で“見える化”。掃除した場所には色がつき、していない場所がひと目でわかるため、ゴミの取り残しや吸い忘れを防げる。
さらに、消費カロリーの表示機能まで備え、掃除を運動感覚で楽しめそうだ。
「頑張りすぎない」が暮らしを変える
ママ楽サポートの西村代表は、こうも語っていた。
「私たちが使える時間は誰しも平等で限りがあります。家事代行を“お助けマン”や“お守り”のように思っていただき、自分らしい生き方や暮らし方に役立ててほしい」
1日24時間という限られた時間をどう使うか。
TSSライク!の公式インスタグラムで「家事で省きたい時間」を尋ねたところ、最も多かったのは「料理・洗い物」で52%。次いで「掃除」が27%、「洗濯」が15%と続いた。
自由記述では、「料理のレパートリーが少ない」「仕事の日は料理をしたくない」といった悩みのほか、「家族のサポートがほしい」との声も寄せられた。
ひとりで頑張らなくてもいい――人やモノに少し頼ることで生まれた余白が、自分や家族にとって大切な時間となり、“心のゆとり”につながるはずだ。
(テレビ新広島)
