プロバスケットボールB2リーグ・岩手ビッグブルズのユースチーム「U18」が2026年4月に始動した。高校生が部活動ではなく、プロクラブの育成組織の一員として競技に打ち込む新しい試みで、共学化した盛岡白百合学園高校と連携しながら、岩手から未来のプロ選手輩出を目指す、新たな育成の形が動き出している。
U18始動の狙い
岩手ビッグブルズU18は、B2リーグに所属する岩手ビッグブルズのユースチームだ。
世界や日本で活躍するプロ選手の育成と、スポーツ振興を目的に、2026年4月に発足した。
チームには、2025年に行われたセレクションを突破した高校1年生から3年生までの男子10人が所属している。選手は県出身者を中心に構成され、将来のトップチーム入りを目指して日々練習に励んでいる。
指導を担うのは、岩手ビッグブルズで通算4シーズンにわたりプレーした澤口誠ヘッドコーチだ。
澤口ヘッドコーチは「一番はプロ選手になること。一番の願いはビッグブルズの選手になってもらうことが理想なので、岩手県のために頑張れるような選手を育成したい」と話し、選手一人ひとりの成長に強い期待を寄せた。
注目の一期生2人
U18一期生の中でも存在感を放っているのが、盛岡白百合高1年の佐藤隼選手と渡辺安滋選手の2人だ。
佐藤選手は身長184センチの長身ながら、アウトサイドを主戦場とするシューター。
得意の3ポイントシュートで攻撃の幅を広げている。
佐藤選手は、「特に外からのシュートが武器。競っている試合、取って取られてという試合でも、冷静にしっかりと決められるようになりたい」と思いを語る。
一方の渡辺選手は、1対1の局面を打開する突破力が持ち味だ。
スピードのあるドリブルでゴールに迫り、攻撃の起点としてチームをけん引する。
渡辺選手は、「強みは力強いドライブとスピードで相手を抜き切ること。試合で悪い流れのときに 自分のプレーで流れを断ち切る選手になりたい」と目標を口にする。
「長距離砲」と「切り込み隊長」。対照的なスタイルの2人が、それぞれの持ち味を生かしたプレーを見せている。
学校連携という特徴
U18に所属する10人のうち8人は、2026年度から共学となった盛岡白百合学園高校の新1年生だ。
2年後には全選手が同校の生徒となる予定で、チームは学校の協力を受けながら活動している。
その背景には、2025年7月に岩手ビッグブルズと盛岡白百合学園が締結した、U18と部活動との連携協定がある。
U18は、Bリーグのクラブが運営する育成組織「Bユース」として、主にBリーグ主催の大会に出場し、全国のU18チームと対戦する。

一方、共学化に伴い新設された盛岡白百合学園高校の男子バスケットボール部は、高校単位で大会に参加するため、選手がU18と部活動の両方に所属することはない。
連携で高まる競技力
協定に基づき、U18と高校の男子バスケットボール部は、いずれも盛岡白百合学園の施設を拠点に活動するため、合同練習などを通じてチーム同士が連携することで、競技力の向上が期待できる。
さらに、U18は週5日の練習環境が確保されるとともに、学校の部活動ではレベルの高い指導が受けられるメリットがある。
連携協定締結時の2025年7月、岩手ビッグブルズの水野哲志社長は、「バスケットを通じながら一人の人間としての成長、トップチームで活躍できる選手や岩手県出身選手が出ることが願い」と語っている。
盛岡白百合学園の浅沼千明校長も、「ビッグブルズと連携することによってより質の高い指導を受けられる。岩手県全体のバスケットボール競技の普及と発展の一助になるのではないか」と語り、連携の意義を強調した。
全国を見据える決意
4月8日には、盛岡白百合学園の施設を使った初めての練習が行われた。
岩手のスポーツを盛り上げたいという、プロクラブと教育機関、双方の思いが形となった。
チームを束ねる高橋煌音キャプテン(盛岡白百合高1年)は、U18としての目標を語る。
高橋煌音主将:
学校もバスケもコミュニケーションをとり、覚悟を持って練習している。全国ベスト8を目指し、日々努力して頑張っていく。
未来を切り拓こうとする若い力、そしてプロチームと教育機関の連携。
岩手からのさらなるプロ選手輩出に向け、新たな育成の形が動き出した。
