空気が乾燥するこの時期、下草や林野火災の発生が増えます。2月、3月の発生件数は、2025年に比べて「倍」に。消防は、2026年から林野火災の注意報や警報の運用を始め、注意喚起するとともに、「たき火届」の提出を呼びかけています。
山林に燃え広がる林野火災。枯れ草が燃える下草火災。
空気が乾燥し農作業の準備などで野焼きやたき火が増える春の時期に、発生件数が増えます。2026年は特に雨が少なかったせいか、県のまとめでは、2月と3月の2カ月間で、下草火災を含むその他火災が192件、林野火災は32件発生。それぞれ前の年に比べ2倍に増えています。
長野市消防局 予防課・中村浩 課長補佐:
「この場所は、3月に枯れ草火災が発生し、その時も長野市に林野火災注意報が発令されていました」
3月14日の午後1時ごろ、長野市篠ノ井塩崎の河川敷で下草火災が発生。約5時間後に消し止められましたが、枯れ草など約11万平方メートルが焼けました。原因は調査中ですが、近くに「たき火の跡」があったということです。
長野市消防局によりますと、2026年1月から4月8日までに発生した林野火災・下草火災は26件。このうち約9割にあたる22件が「たき火」が原因だということです。
長野市消防局 予防課・中村浩 課長補佐:
「たき火をする際は、消火器や消火用水、こういったものを用意してください、また焼却する際は、必ず近くの消防署に『届け出』をしてください」
自治体が、野焼きなど、屋外で物を燃やす際に提出を求めているのが、「たき火届」です。自治体などが条例で定めていて、燃やすものや場所などを記入して、事前に消防署に提出する必要があります。
しかし、知られていないこともあってか、県内で3月1日から15日までに発生した下草火災13件のうち、届け出があったのはわずか2件のみ。11件は未提出でした。
長野市消防局 予防課・中村浩 課長補佐:
「たき火による火災は皆さんの注意によって防ぐことができます。たき火を行う際は、火災予防の意識をより一層強く持って行ってください」
空気が乾燥し、強い風が吹いている時は、大規模な林野火災に広がる危険性もあります。このため、2026年から全国の消防で始まったのが、「林野火災注意報・警報」です。
防災無線:
「林野火災注意報が発令されました」
林野火災の危険性が高まる気象条件に達した際に発令され、たき火などの火の使用が制限されます。強風で延焼の危険が高まり、「警報」が出た場合は、火の使用制限が「義務」となり、違反すると罰則の対象になります。
長野市消防局では発令された場合、市の防災行政無線や、防災アプリ、防災メールなどで周知しています。
一方、下草火災などで死者も出ています。
長野市でも、3月、枯れ草を焼いていた火に巻き込まれて、84歳の男性が死亡しました。
徳島県が行った下草火災を想定した実験では、衣類に見立てたタオルに引火すると、20秒ほどで燃え落ちました。風がある場合は、燃え広がるスピードも速いため、さらに注意が必要です。
長野市消防局 予防課・中村浩 課長補佐:
「枯れ草火災が衣類に燃え移る危険性がありますので、まずは火に近づかない、一度にたくさん燃やさないことが大切です」
県によりますと、高齢者によるたき火が多く、注意報が発令中の火災も多いことから、経験則で「自分は大丈夫」と油断せず、乾燥・強風の日は火の使用をやめるよう、注意を呼び掛けています。
阿部知事:
「警報・注意報制度が今年1月からスタートしているが、ほとんど効果が出ていないのでは。極めて残念な状況だと思っています。『たき火届』、は必ず出してほしい」