日本サッカー界の一大イベント、ルヴァンカップFINAL 柏レイソル対FC東京。

7年ぶりに国立競技場で開催される今年のルヴァンカップは、新型コロナウイルスの影響で大会方式も大きく変更となり、プライムステージもホーム&アウェー方式ではなく、一発勝負となった。

選手たちは今、何を思い、何を誓いこの決戦に挑もうとしているのか。
 

順調に見えたサッカー人生で、余儀なくされた移籍

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FC東京、森重真人。

183cm、79kgの恵まれた体格に、すべてのファクターを兼ね揃えた万能型ディフェンダーだ。

日本代表として国際Aマッチに41試合出場し、東アジア大会では日本代表の主将も努めた、誰からも頼りにされる33歳のベテランには、サッカー人生を大きく変えたターニングポイントがあった。

8歳の時、兄の影響でサッカーを始めた森重は、早くから頭角を現し、少年サッカーの強豪・広島高陽FCに所属する。

「昔はやっぱりやんちゃで、悪いこともよくやりましたし。両親や、学校の先生だったり、サッカーの指導者に怒られることはしょっちゅうあったので…」と本人が語るように、元気いっぱいのサッカー少年だった。

当時、森重少年を指導した広島高陽FCの植村和広さんは、当時のことをこう振り返る。

「うちの6年生のチームと森重のチームが練習試合をしたときに、森重は4年生だったのですが、プレー自体を見ると6年生チームの中心でやれていたので。20年以上経ってもびっくりしたことを覚えていますね」

そんな少年が夢にまで見たJリーグ。

U-17の頃から世代別の日本代表に名を連ね、2006年に大分トリニータに入団すると2年目からレギュラーを奪取した。

しかし、2009年にチームはJ2に降格し、森重は突然の移籍を余儀なくされた。

「大分の最後の年の最後の方は、僕は怪我をしていて試合に出ていなかったんです。
FC東京に入って、東京の最初のキャンプで復帰して、不安も多少あったし、『この中で自分がプレーできるのか?』と思いながら、1年目を過ごしていたので」
 

不安解消のために見せた闘志が空回り…

2010年、新天地・FC東京での不安なスタート。
その不安を解消するため、森重は闘志を全面に押し出すプレーを続けた。

しかしその気合は、大きく空回りした。

移籍1年目で30試合に出場するも、イエローカード8枚、レッドカード2枚の大荒れ。

不用意なプレーでゲームを壊したと批判されることもあった。

その森重を誰よりも心配していたのが、遠く離れた広島の小学校時代の恩師、植村和広さんだった。

「ディフェンスなので、激しさとか強さとか必ず要るのですが、どう見ても汚いプレーなんじゃないのかなと私が感じたプレーがあったので。このままじゃ黙っていられないと思って」

いても立ってもいられず、広島からはるばる東京へ向かった植村さんは、躊躇すること無く厳しい言葉で想いを伝えた。

「『森重のプレーは地元の高陽で子供たちがみんな見とるで』と言って。私も指導をしていて『森重のプレーを見ろよ』と言っているのに、あれじゃとても見ろと言えないよいう話をしたんですね」

厳しくも愛のある言葉の数々。

「お前のプレーは子どもたちには見せられない」と言われた森重は、頭が真っ白になり、しばらく言葉も出なかったという。

「本当に自分一人でサッカーをしているわけじゃない、ということに気づかされました。
またいいプレーができるように、気持ちを改めて、プレーをするという考えになった一言だったかなと思います」

一人でサッカーをしているわけじゃない。

このことに気がついたとき、森重のサッカー人生は大きく変わった。

「いろんな方に支えらながら、また迷惑をかけながら、いろんなことを犠牲にしながら今の自分があるので。
そういった人たちの為に、『森重に携わってよかった』と思ってもらえるようにタイトルを獲って、それを証明したいなという風に思います」
 

『ルヴァンカップ決勝直前!Message 君に伝えたい言葉』

放送日時:
11月2日(月)       24時55分~
11月3日(火)~5日(木) 24時25分~
11月6日(金)       24時55分~

ナビゲーター:内田篤人

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