静岡県内でも後を絶たない特殊詐欺被害。その多くが、海外に拠点を置く詐欺グループによる犯行とみられています。今回、テレビ静岡の記者はカンボジアにある詐欺拠点の内部を取材。県民を狙った痕跡も見つかりました。
警察:
全員動くな!手を上げろ!
これは3月10日、カンボジア警察が首都プノンペンにある特殊詐欺拠点を摘発した瞬間の映像です。
カンボジアでは各地にこうした拠点が点在し、日本を含む世界各国をターゲットに詐欺行為が行われているとみられています。
バンコク支局・杉村祐太朗 記者:
これからタイ軍の航空機に乗ってカンボジアとの国境地帯に向かいます
こうした中、テレビ静岡の記者はタイ軍が企画したメディアツアーに参加。
今回、タイとカンボジアの国境地帯にある特殊詐欺拠点内部の取材が許されました。
タイ側から国境を越えたどり着いたのはカンボジア北西部のオスマック。
多くの詐欺グループが活動していたとされる地域です。
バンコク支局・杉村祐太朗 記者:
これからタイ軍の案内で特殊詐欺拠点とみられる建物の中に入ります
バンコク支局・杉村祐太朗 記者:
タイ軍の兵士が銃を持って我々を警護してくれています
このエリアは、元々カンボジア軍の支配下にありました。
しかし、2025年に起きたタイとカンボジアの軍事衝突の際にタイ側が空爆や砲撃などを行って掌握。
現在も実効支配を続けています。
バンコク支局・杉村祐太朗 記者:
建物は高い塀に囲われていて、上には有刺鉄線がつけられています
バンコク支局・杉村祐太朗 記者:
建物の中に入っていきます。部屋の中を見てみると物が散乱しています
詐欺拠点となっていた建物はタイ軍の攻撃で大破。
床にはガラスやがれきが散乱しています。
かけ子たちの作業場とみられる部屋ではキーボードなども確認。
さらに、床には本物かわからない大量のドル紙幣も…
また、かけ子たちが直前まで住んでいたとみられる居住スペースもありました。
バンコク支局・杉村祐太朗 記者:
こちら、大量のインスタントラーメンの箱です。これを食べていたのでしょうか。拠点内ではタバコも販売されていたようです
タイ軍によりますと、これらの拠点で中国人やインドネシア人など約1万人が特殊詐欺などを行っていたということです。
そのため、施設の中には厨房のような場所もあり、多くのテーブルや椅子が置かれた食堂とみられる場所も確認。
かなり大規模だったことがうかがえます。
バンコク支局・杉村祐太朗 記者:
拠点内の食堂だったのでしょうか。多くの飲み物が置かれています
そして、拠点内でひときわ目立っていたのが…
バンコク支局・杉村祐太朗 記者:
中国の警察署にみせかけたセットです。すべて偽物だということです
部屋には警察官風の帽子、さらに壁には捜査機関としての心構えも…
バンコク支局・杉村祐太朗 記者:
こちらの部屋もブラジルの警察署に似せたセットになっています。こうした場所で詐欺電話をかけていたのでしょうか
中国やブラジルのほかインドネシアなど7カ国の警察施設に似せて作られた部屋。
残された制服や備品は偽物です。
さらに…
バンコク支局・杉村祐太朗 記者:
こちらの部屋はベトナムの銀行だということですが、こちらも偽物です。カウンターがいくつも設置されています
銀行のチラシや名刺のようなものも残されていました。
ビデオ電話などの際、ターゲットを信じ込ませるために作られたとみられるスタジオセット。
日本人も狙われていたとみられる証拠が…。
バンコク支局・杉村祐太朗 記者:
こちらの部屋では日本人の個人情報が書かれた紙や詐欺マニュアルのようなものもあります
日本人の名前や住所、銀行口座の残高などが書かれた個人情報のメモや日本語で書かれた詐欺マニュアルも大量に見つかりました。
その中には…
バンコク支局・杉村祐太朗 記者:
こちら静岡県と書かれています。静岡県に住んでいる人をターゲットにしたのでしょうか
この拠点に日本人がいたかどうかはわかっていませんが、国際化する詐欺グループの魔の手が県内にも伸びていることが今回の取材で明らかになりました。
タイ空軍大将:
特殊詐欺拠点は世界的な脅威です。根絶に向け、関係国が連携して対策を行う必要があります
巧妙化する詐欺の手口。
特殊詐欺の被害をこれ以上増やさないためにも、実効性のある対策が求められています。