本人の手書きが義務づけられている「遺言」について、パソコンなどでの制作を容認する民法改正法案が閣議決定されました。
山崎夕貴キャスター:
スマホでも作ることができるといういわゆる“デジタル遺言”の導入ですが、ここからはフジテレビ社会部・林ひなの記者に聞いていきます。
ポイントは「デジタル遺言のメリットは?」「成り済ましや偽造への対策は?」の2つです。
まずは1つ目、遺言をパソコンやスマホで作ることができるようになるということで、具体的にどんなメリットがあるんでしょうか?
フジテレビ社会部・林ひなの記者:
これまで全文を手書きで書かなければならなかったため、作成する人の負担が減ることが期待されます。
具体的には、これまで手書きの場合、「A4サイズでならないといけない」「上下左右余白を残さないといけない」など、所定の書式が細かく決められていました。
さらに、訂正の方法も指定されており、条件を満たさないとせっかく書いた遺言書が無効になるなど、作成者の負担が大きいと指摘されていました。
スマホやパソコンでの作成が可能になれば、申請前の書き直しは手間が減り負担が軽減されるといえます。
また、遺言書のデータを法務局が保管するため、災害などで紛失するリスクも軽減されます。
山崎夕貴キャスター:
たくさんメリットがありそうですね。
遺言といえば、これまでは実際に法務局を訪れていたと思いますが、デジタル遺言になるとこうした対面での手続きもいらなくなるということですか?
フジテレビ社会部・林ひなの記者:
そうなんです。前提として遺言書を作成する人の多くは高齢者です。今回の改正で、パソコンなどで作った遺言書をオンラインや郵送で申請できるようになります。体が不自由な方や遠方に住む方でもどこでも手続きが行えるようになります。
山崎夕貴キャスター:
オンラインで完結できるのは便利ですよね。ただ、心配な点もあります。
2つ目のポイント、成り済ましや偽造に対しては、どんな対策がとられているんでしょうか。
フジテレビ社会部・林ひなの記者:
これまでは筆跡や押印などが本人確認の担保とされてきました。
新たな制度では、第三者のなりすましを防止するために、対面やウェブ会議での本人確認を実施することとしています。
いずれの場合でも、法務局の職員が身分証の提示を求めたり、遺言の全文を読み上げてもらったりして、本当に本人の意思で作成したものなのか確認するということです。
山崎夕貴キャスター:
しっかりとした対策が必要ですよね。
最後に、“導入されたらデジタル遺言を使ってみたい。でも、パソコンやスマホの操作が苦手だな”という人はどうしたらいいですか?
フジテレビ社会部・林ひなの記者:
デジタル遺言制度が始まっても、従来の手書きの遺言書を作ることが可能です。また、例えば家族などがサポートしてスマホなどで遺言書を作成することもできます。ただその場合でも、あくまでも本人が法務局に提出し遺言書を読み上げる必要があります。
今回の改正は遺言を残したい人の選択肢が広がる新たな制度といえます。