春。始まりの季節。新年度の訪れとともに県内各地でサクラが見頃を迎えるなか、スケッチしたのは福岡空港。笑顔と涙に包まれた“旅立ちの春”。多くの人が進学や就職のため、新天地へと羽ばたいた。

子どもの時の夢を叶えるため

新年度を目前に控えた3月最後の日。福岡空港の出発ロビーは、旅立ちを迎える人と見送る家族や友人で混み合っていた。

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この春、高校を卒業した田中美羽さん(18)。「家族と離れることは寂しいんですけど、自分のやりたいことが静岡にあるので、頑張りたい」と決意を語る。

美羽さんは、幼い頃から打ち込んでいたピアノの調律師を目指し、静岡県の専門学校に進学するのだという。

「嬉しいんですけど…、寂しくなります。頑張ってね」と娘を抱きしめる母親。家族からの愛情を受け、笑顔で出発した。

家族で記念写真に納まる佐藤煌也さん(15)。「神奈川県に自衛隊の高校があるんですけど、そこに進学します」と話す。

「小さい時に熊本地震で助けられたので、自分も人の命を助ける仕事がしたいと思ったからです」と5歳のときに抱いた夢を叶えるため、神奈川県へと旅立つ。

見送る母親は「大丈夫かなという不安と…、自分で決めたことなので、自信を持って頑張ってほしい」とエールを送った。

精一杯の笑顔で見送る眼には光るものが

東京に単身赴任する父親の出発に、涙が止まらない10歳の森颯斗くん。「帰ってくるけん、ちゃんと、大丈夫、大丈夫」と父親は笑顔で息子を慰める。長い間、離れるのは初めてのことだという。

この春、中学生になるしっかり者のお姉ちゃんの美愛さんも涙が止まらない。「お父さんが言っていたことを思い出して、一日一日を大切に過ごしたい」と振り絞るように話した。

「またね」と手を振り保安検査場へ向かう父親に「ずっとパパと仲良くいたかった」と泣く颯斗くん。しかし母親の「頑張ってもらわんとね」との言葉に「うん」と頷いた。

幼い子どもと妻を残して1人アメリカへ向かう男性。仕事のため1年間アメリカへ向かう井上誠一さん。「不安しかないのと寂しい」とつい本音も口に出る。

見送りに来た母親の隆子さんは「心細いし、寂しいです。願うのは、健康だけです」と話す。

妻の麻実さんは「寂しいですけど、健康に気を付けて頑張ってもらいたいですね」と気丈に話す。麻実さんは、最後まで笑顔で見送ると決めていたという。

保安検査場に入る夫に「こっち見えるかな」と手を振る麻美さん。気丈に振舞っていた麻実さんだったが、夫の姿が見えなくなると涙が溢れ出た。

「子どもたちも初めてなので、離れるのが、ちょっと心配ですけど…。でも、お互いの場所で頑張って、ね」

多くの人が新たな日常へと踏み出した、始まりの季節。それぞれの未来に満開のサクラが咲くことを-。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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