「値上げの春」です。4月から食品を中心に、「2798品目」が値上げすると言われています。具体的にどんなものが対象なのか。帝国データバンクの調査では、マヨネーズやドレッシングなどの「調味料」が最も多く「1514品目」。次いで即席めんやカップスープなどの「加工食品」が「609品目」。このほか「原材料」が「259品目」で、その多くが食用油です。値上げの理由は原材料や物流費などの高騰が挙げられ、家計にとっては大きな負担となります。この影響は、店にとっても同じです。ここ数年、輸入飼料の高騰などで「鶏肉」の価格が上昇。「から揚げ弁当」が売りの長野市の弁当店では、油やコメなどの材料の高騰もあり、値上げに踏み切るか頭を悩ませています。
ふたが閉まらないほどボリュームたっぷりの「から揚げ弁当」。長野市下駒沢にある「弁当の松田」の名物です。
弁当の松田・松田浩司さん:
「から揚げ弁当一つと、から揚げ2つ」
弁当の松田・松田浩司さん:
「(1日にどれくらい出る?)500(個)くらい」
魅力はなんといっても、このボリュームと安さ。大粒のから揚げが6つ入って「580円」です。
安曇野から:
「きょうはから揚げ弁当を2つ。ここのから揚げ弁当すごく量もあっておいしいし、値段も安いのできょうも来た」
須坂から:
「から揚げのインパクトがすごい、ふたが閉まらないから揚げ弁当」
50年以上続く人気店ですが、今、かつてないピンチだと言います。
弁当の松田・松田浩司さん:
「ガソリン、コメ、鶏もも(が値上がりして)、うちは(注文の)8割から揚げなもので。もう無理じゃないですか、なんとかやっていきますけど」
店を困惑させているのは、「鶏肉の価格高騰」です。
鶏肉はここ数年、輸入飼料の高騰、世界的な需要の増加などで高値が続いています。
鶏もも肉の卸売価格は2020年は1キロあたり644円でしたが、3月は844円。200円も値上がりしています。
それは弁当の価格にも影響していて、6年前に取材したときのから揚げ弁当の値段は「430円」。
それが今は「580円」。店にとって仕入れ価格の上昇は死活問題につながります。
弁当の松田・松田浩司さん:
「円安とか、買い負けのおかげで、鶏もも(の値段)も上がっているので、だいぶ厳しい部分が。これからもっと上がってくるかと思います」
これからさらに懸念されるのが―。
弁当の松田・松田浩司さん:
「油は3、4年前に莫大に上がったんですけど、ここからまた上がっていくって。これから容器とかも金額が上がるので」
中東情勢の悪化で原油価格が高騰。食用油のほか、調理に使う電気、原油を原材料とする弁当の容器も値上がりの恐れがー。
さらにコメの価格高騰や、店では弁当の配達も行っているため、ガソリン代の上昇も大きな影響を受けます。
店では2025年12月に、550円から580円に値上げしたばかりですが―。
安曇野から:
「(12月に値上げ)それでも安い、弁当1個580円。すごくお手頃で、これならまだ買えるかなと」
須坂から:
「ちょっと値上がっちゃったんですけど、この金額でこの弁当食べられるんだという弁当なのでうれしい」
弁当の松田・松田浩司さん:
「こんな状況で、値上げしても買っていただけるお客さん(の存在は)本当にありがたい」
少しでも安い仕入れ業者を探すなど努力も重ねていますが、今回の値上げラッシュはさすがに厳しい状況で、店は今、価格を見直すか、判断を迫られています。
弁当の松田・松田浩司さん:
「全体的に(値段が)上がっているから、そろそろもう一度、お客さまには申し訳ないけど、値上げも仕方ないかと」