1日から新年度が始まりました。

新たな制度の1つが、小学校の給食費の実質無償化です。

子育て世帯にとってはうれしいニュースですが、自治体によっては、さらに保護者が負担しなければいけないケースもあります。

地域ごとに異なる給食費事情を取材しました。

子供たちが待ちに待った給食の時間。

この日の献立は、鶏肉たっぷりの「チキンチキンごぼう」に、かきたま汁です。

小学5年の児童たちからは「ご飯がおいしいし、肉もすごくおいしい」「卵がたくさん入っていておいしい」「給食の人が心込めて作っている。全部食べられます」といった声が聞かれました。

「心を込めて」給食を作っているのは、学校内の給食室。

大きな窓があり、子供たちも調理の様子を見ることができます。

児童たちは「学校で作っているところ見られるし、おいしさで分かります」「手振ってきてくれたりする、調理員さんが。家の野菜はちょっと苦手なんですけど、給食の野菜めっちゃおいしい」と話しました。

この学校のように、学校内に給食室を置く自治体は全国で46%、過半数の53%の自治体では給食センターで作って配送する方式をとっています。

給食センター方式の方が、食材の購入や配送を一括で行えるため、コストが割安になるといいます。

給食費を巡っては、4月から大きな動きが。

全国の公立小学校を対象に給食費の実質無償化が始まりました。

保護者の所得に関係なく、児童1人あたり月額5200円が公費で支援されますが、足りない分は自治体や保護者の負担となります。

犬山市 学校教育課・足立衣里さん:
国の5200円ですと、少し犬山の給食費には満たない。市からの持ち出しという形で給食(無償化)を4月から行っていくかと。

愛知・犬山市は、小学校の1食分の食材費は340円。

国の補助では約30円足りず、年間に換算すると1人あたり約5700円高くなります。

新年度については、国からの別の交付金でまかない保護者負担は0円ですが、今後もやりくりに頭を悩ませることになります。

それでも学校での調理にこだわるわけを犬山南小学校  栄養教諭・佐々木幸香さん「子どもたちの様子の変化とか反応とか見ることができると献立にも生かすことができるし、すぐ声をかけられることも魅力」と話します。

実質無償化が始まりましたが、補助金だけではたりず、不足分を保護者が負担する地域も。

東京都は以前から無償ですが、神奈川・大和市では一月あたり880円、新潟・柏崎市では約1700円、鹿児島市では900~1400円程度が保護者負担となるなど、金額も自治体によってさまざまです。

一方、今回の制度改正に合わせて、無償化の対象が広がった町もありました。

中津川市教育委員会・花田成文学校教育課長:
小学校の無償化は国の方で決まっていた。その流れに合わせて同じタイミングで無償化をしたいと進めてきております。

岐阜・中津川市では小学校だけでなく、中学校の給食も無償となります。

背景にあるのが、深刻な過疎化です。

この10年の間に小中学生の数は約2割減少した中津川市は、今回の「ダブル無償化」で子育て世帯の移住を呼び込みたい狙いです。

双子の母親:
今すでにめちゃくちゃよく食べるので、これからどうなっていくか不安がすごい。無償化は本当にありがたい。

3児の母親:
無償化になるのはすごい助かるなと思う一方で、しっかり子どもがおなかいっぱい食べられて、栄養が取れる給食になるのか一番心配。

同じく人口減少に悩む愛知・新城市では、給食センターを巡って賛否の声も上がっています。

2024年に完成した給食センターでは、市内ほぼすべての小中学校の給食を作り配送しています。

一番遠い学校は車で40分ほど。

児童数が少ない学校には、トラックではなく普通車で運びます。

給食センターができるまでは、新城市でも各学校で給食を作っていました。

しかし、設備の老朽化やアレルギーへの対応など、継続が難しくなったといいます。

新城市学校給食課・菅野裕也課長:
各学校の調理室には1、2人しか調理員の配置がされていなかった。インフルエンザになってお休みすると、給食ができないという状況。募集はしていたが、なかなか集まらない、集まったとしても離職が多かったのが背景。給食を途切れなく安定的に出すためには最終的にセンターにするしかない。

一方で将来、子どもの数の減少が見込まれる中、給食センターの建設には反対の声もありました。

元市議会議員・カークランド陽子さん:
お母さんたちは、顔が見える距離感で作ってくれている、においがしている、教育の1つ、食育の1つと考えている方も多いと思います。当然近い方が良いですし、規模が小さい方が安全管理もしやすい。

カークランドさんが市民に行ったアンケートでは、180人中、約8割が「自校方式を残してほしい」との回答だったといいます。

また、センター化により、必要な調理員の数はこれまでの3分の2に減ったものの、給食を配送するドライバーの人件費などが新たにかかり、コストは逆に増えたといいます。

新城市民:
お金の面も増えたの?っていう不満というか(前もって)説明あってなら、まだいいんですが。

新城市の小学校の給食費は2025年度、月に5320円。

2026年度交付される、国からの補助金5200円オーバーする計算です。

新城市学校給食課・菅野裕也課長:
無償化をって最初にうたわれて、進んできたので全額カバーしてくれるとありがたかったです。それが率直なところ。自校の給食に劣らない給食を出し、納得いただける道になればいいなと。

「給食費実質無償化」が始まっても、地域ごとに異なる事情。

それでも、来週からの新学期、おいしい給食を届けるために現場の奮闘が続きます。