富山市の山あいで地元住民によって運営されてきた温泉施設が営業を終えました。
きっかけは「燃料コストの上昇」。惜しまれながら幕を下ろしました。
富山市の旧大山町小見地区にある「白樺の湯」。
北陸では珍しい硫黄が多く含まれるお湯は体の痛みがとれると人気で、地元住民はもちろん登山客やスキー客からも長年、愛されています。
*お客さん
「前に寄付をしたんですがね」
*白樺の湯 支配人 山森潔さん
「ありがとうございます。続けられなくて申し訳ない。残念ながら灯油が高くて燃料が高くて。どうもありがとう、ゆっくり入ってください」
支配人の山森潔さん(77)です。
閉館した温泉宿泊施設「白樺ハイツ」を富山市から無償で借り、5年前に地元住民たちが運営する日帰り温泉施設「白樺の湯」として再出発しました。
利用者に寄付を募りながら、ときには自らの貯蓄を切り崩し、営業してきました。
*お客さん
「山の帰りにすごくいいお風呂だった。ありがとうございました」
*白樺の湯 支配人 山森潔さん
「みなさんから『いい湯でしたね』と言われるのが一番励みになって続けてきた。それが出来なくなるのがつらい。出来ることなら続けたい。もう500万も(存続に自分のお金を)つぎ込んだ、どうにもならない」
施設の老朽化も重なり、近年は営業日を週末のみ縮小していましたが、燃料費の高騰が追い打ちをかけました。
*白樺の湯 支配人 山森潔さん
「90万円あまりのカンパ(寄付)金をいただいて、100万円の(修理の)支払いができた。修理をしたから来年の秋くらいまでは大丈夫かなと思っていたけど、燃料の急騰でギブアップ」
温度の低い源泉を沸かすのに1日250リットル使用する灯油の仕入れ値は、5年前の2倍に。
イラン情勢の悪化で、さらに値上げする案内が届き、閉館を決めました。
*白樺の湯 支配人 山森潔さん
「いらっしゃいませ」
29日の営業最終日。
普段より150人多い250人あまりの人が訪れました。
*お客さん
「毎週土日来ている。寂しい。長生きしようねとみなさんに伝えた。自分と同じ年配の人が多いので、地元の人にさようならをした」
*お客さん
「山森さんはこの地域「白樺ハイツ」を一生懸命守ろうと頑張ってくれていて、今まで続けてきてくれてありがたい」
*お客さん
「ここの露風呂が好き。露天風呂にもう入れなくなるのは悲しい」
*お客さん
「身体があたたまる、疲れがとれる。いいお湯ですね」
*お客さん 手紙を山森さんへ
「ラブレターです。長い間ありがとうございました」
*山森潔さん 手紙読み上げ
「支配人と露天につかり、たわいもない話をしたことは決してこの先忘れることはありません」
*白樺の湯 支配人 山森潔さん
「ありがたいです。本当に涙が出そう」
そして、午後6時。住民たちに惜しまれながらも「白樺の湯」の幕を下ろしました。
*白樺の湯 支配人 山森潔さん
「ありがとうございました」
支配人の山森さんは小見地区の自治振興会長も務めていて、これからも地域のために、そして自身の健康のために95歳までは仕事を見つけて働きたいとおっしゃっていました。