2026年春、特別支援学校の高等部に進学する岩手県紫波町の北條百桜さん(15)は、脳性まひという障がいがあります。
百桜さんは2026年1月に大きな手術をしました。困難な状況を支えたものは何だったのか、彼女の成長の日々を見つめます。
北條百桜さん(15)は、父の直人さん、母の麻里さんと紫波町で暮らしています。
いま、好奇心旺盛な百桜さんの心をとらえているものがあります。それは音楽、ピアノです。
百桜さん
「(指が)こういう風に立っちゃうんですよ。これをどうにか丸くした手で弾くのが難しい」
百桜さんには脳性まひという障害があり、歩き始めたのは5歳の時でした。
百桜さんは小学生の頃から音楽が好きでした。小学校は地域の学校の特別支援学級で学んできました。
以前ドライブ中にパンクをしてからというもの、車に乗るたびにタイヤが気になり、パンクしてないかをチェックします。
百桜さんはちょっと心配症でとても几帳面。学校に行く時間は毎日7時26分と決まっていました。
母・麻里さんは「上手くできない時、もどかしくてワーとなったりとか、『何で私できないの?』という時もあるけれども、このままを私自身も受け入れてあげたい」と話し、百桜さんの成長を見守ります。
自分だけでできないことは誰かに助けてもらいながら挑戦してきました。2024年には八幡平市の安比高原スキー場でスキーにも挑戦しました。
百桜さん(当時13歳)
「景色はやっぱり違って、頂上からの方が結構よく見えた」
2年前からピアノ教室にも通い始め自分自身の世界を広げています。
思うように指を動かすことが難しい中、粘り強く音楽と向き合ってきました。
百桜さん
「大変さはなく楽しい。褒められるのが楽しい。『ももちゃん上手』ってめっちゃ褒められる」
2025年は発表会も経験し、両親はその成長に目を細めました。
そんな百桜さんは2026年1月、大きな決断をしました。左足の手術です。
これから先、痛みや変形がでないように足の腱を調整することにしたのです。
母・麻里さん「ももちゃん、何のためのノートですか?」
百桜さん「不安と戦うノート」
採血の仕方や麻酔の方法など不安なことを書きだし、それに(医師などから)回答してもらうためのノートです。
母・麻里さん「すごいね」
百桜さん「麻酔の先生にどうやって見せればいい?」
百桜さんは自分なりの方法で不安を乗り越えようとしていました。
1月15日、宮城県の病院で足の手術を受けました。入院期間は45日。
手術後は慣れない車椅子での生活となり、一時的に病院内の学校への転校を余儀なくされました。
「ひとりクラスで寂しかった」と話す百桜さん。
看護師たちがギプスに寄せ書きをして百桜さんを励ましました。
母・麻里さん
「揺れてる彼女の心も支えてもらったりしたので、彼女に関わる全ての人には感謝」
『独りじゃない』…その思いに加え、百桜さんの心の支えになったものがあります。
「楽しいことはありましたか?」との問いに、「音楽」と答える百桜さん。
授業での音楽、大好きな音楽が、困難な日々をそっと支えてくれました。
退院して自宅に戻った百桜さんにはやりたいことがありました。…「ピアノを再開させたい」
たとえ大変なことがあったとしても、大好きな人がいて、大好きなことがあれば、きっと前に進める。
大きな山を越えた百桜さんは、持ち前の笑顔で新たな春を迎えます。