鮮やかに赤く輝くのは福島県のオリジナル品種「ゆうやけベリー」。いま原油価格の高騰が生産者を直撃しているが、福島県の石川町では少し“事情”が違っていた。
■温泉に摘みたてのイチゴ
石川町の母畑温泉八幡屋。
「あ、あま」「うまい」「よければ摘みたてのイチゴが並んでますので」朝採れたばかりの福島県のオリジナル品種「ゆうやけベリー」が販売されていた。
女の子は「甘くて美味しかった(イチゴ好きですか?)大好き」と話す。
■温泉を利用して栽培
このイチゴの生産地は…真っ赤で美味しそうなイチゴ、実は暖かい温泉を利用して栽培されたものだ。温泉旅館の隣にある約7アールの農業用ハウス。生育に適した20℃から25℃に温度を保っているのがホースに流れる“温泉”だ。
■燃料代は通常の10分の1に
いま原油価格の高騰が生産者を直撃しているが、温泉熱を活用することで一般的な栽培と比べて燃料代を10分の1に抑えられるということだ。
母畑温泉八幡屋・渡邉武嗣会長は「いま特に燃料費が上がっているところなので、温泉の限りある資源を最大限に生かす方法としては、いちご栽培は非常に助かっています」と話す。
■きっかけは新型コロナ
栽培のきっかけとなったのは“新型コロナウイルス”だった。
「待てど暮らせどお客様が来ない時期が非常に長く続いた時に、お客さんに使ってもらって初めて価値を産む温泉もただ川に流れて捨てているような状況で、非常にメンタル的にも残念な思いだった」と八幡屋の渡邉会長は振り返る。
■新たなメニュー開発も
その思いから2025年の夏に始まった全国的にも珍しい温泉熱を活用したイチゴの栽培。岩瀬牧場のヨーグルトと組み合わせたスムージーを展開していて、今後は更なるメニューの開発も検討している。
渡邉会長は「今後も八幡屋と共に地域創生の一役を買えるように、色んなところで町にとって地域にとって役に立つ存在でありたい」と話す。
“逆境”から生まれたイチゴの収穫は5月まで行われる予定だ。