ヒグマ駆除の発砲をめぐり、猟銃所持許可を取り消されたハンターの男性が、最高裁で逆転勝訴した。7年に及んだ法廷での争いの末、発砲は不当とはいえないと判断された。安全を確かめたうえでの一発が人生を左右した男性は、二審の敗訴を乗り越え、ようやく現場に戻ることができる。

2018年のヒグマへの発砲めぐり裁判

ヒグマ駆除のための発砲をめぐり 猟銃所持の許可を取り消されたハンターの男性が処分の撤回を求めていた裁判。最高裁は27日、二審の判決を破棄し、男性の訴えを認める判決を下した。

この記事の画像(19枚)

今年もクマによる被害が懸念される中、今回の判決は下された。

最高裁まで争われたのは、2018年に北海道で起きたヒグマへの発砲だ。

ハンターの池上治男さんは当時、砂川市からの要請を受けて現場に向かい、警察官らが立ち会う中で一頭のヒグマを猟銃で駆除した。

しかし、この発砲を巡り翌年、「弾丸が建物に到達する恐れがあった」として猟銃所持の許可が取り消された。これを受けて、池上さんは処分の撤回を求めて北海道を提訴した。

池上治男さん:
ハンターに頼んでおいて「撃ったらだめだった」と(依頼側から)言われたら、何を信用したらいいのか。

当時の状況について池上さんは 「住宅密集地ではなく 安全を確認した上で撃った」などと主張。一審では「弾丸はクマの体内にとどまった」「発砲が不当であったとはいえない」などとして、池上さんの主張が支持され、「取り消しは違法」と認定された。

しかし、二審では「クマの体を貫通した弾丸が障害物に当たり軌道が変わる可能性があった」「弾丸を遮(さえぎ)る構造物はなかった」などとして、池上さんの主張を退けた。

二審の判決について、北海道でハンターとして活動する男性は「活動の萎縮につながる」などの懸念を口にしていた。

北海道猟友会三笠支部 高崎梨徒支部長:
勝訴から敗訴で、衝撃は大きかったです。現場の動きは、確かに制限される。すでに制限されているという方が正しい。これを撃ったら猟銃所持許可を取り消されるかもしれないと、心のブレーキがかかる人はいます。

そして27日、最高裁は二審の判決を破棄。これにより、池上さんが勝訴した。

逆転勝訴の判決を勝ち取った池上さんは「ハンターにとって当たり前のことを言ってくれた。北海道だけでなくて、全国のハンターにとっても裁判長が理解を示してくれたような話しだった」と話した。

今回の最高裁判決と共に、池上さんの7年に及んだ戦いは終わる。池上さんは、7年ぶりに猟銃を使用した駆除を再開できることになる。

池上治男さん:
長い戦いだったな、終わったな、と言う感じ。色々なところでクマの被害があるので、そういった所に対しても安心していただける判決だった。長い戦いであったけれど、ある意味で有意義な戦いであったと思います。
(「イット!」3月27日放送より)

この記事に載せきれなかった画像を一覧でご覧いただけます。 ギャラリーページはこちら(19枚)