中東情勢の緊迫化を受け、石油の国家備蓄放出が3月26日から始まった。原油不足の影響は、福岡の医療現場でも広がりつつある。

白島国家石油備蓄基地からも放出

政府は26日、愛媛・今治市の菊間国家石油備蓄基地で石油の国家備蓄放出を始めた。順次、全国にある11の基地から放出する予定で、27日は福岡・北九州市沖の白島国家石油備蓄基地からも放出される。

白島国家石油備蓄基地 3月27日から放出
白島国家石油備蓄基地 3月27日から放出
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3月25日に発表された最新のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は、1リットルあたり177円70銭と、過去最高だった前の週の190円80銭から13円10銭値下がりした。6週ぶりの値下がりで、政府が実施しているガソリンへの補助金の効果が表れたかたちとなってはいる。

一方で不安定な中東情勢が続くなか、地域医療の現場でも影響が出始めている。

ナフサ不足で医療インフラに深刻な影響も

福岡市西区のクリニック『井上さとし内科』では、石油製品の値上げに気をもんでいる。

例えば、胃カメラなどで使用する鉗子(かんし)という医療器具は、業者から大幅な値上げを伝えられている。請求できる診療報酬の額は変わらないため、器具の値上がりは直接、経営に響くという。

胃カメラで使用する鉗子(かんし)
胃カメラで使用する鉗子(かんし)

更に注射器や医療用の手袋点滴のバッグなど、医療現場で使う多くものが、原油を精製して作られるナフサが原料。

100枚入りで450円ほどだった使い捨てのゴム手袋が1000円以上で販売されているケースもあるという。このクリニックでは、それぞれの製品に在庫があるが、今後の状況次第では十分な医療行為ができなくなる恐れがあるという。

井上さとし内科の井上聡・院長は「中東情勢の混乱が、いつまで続くのかというのが一番、心配です。一番、大事な医療インフラ的なものがなくなってしまうと、医療行為ができないということになる。今のところ予想もつかないというか、もしそういったものが現実になると恐怖」と話す。

政府は、ナフサなどの石油関連製品についても供給状況や国内の在庫量などを踏まえ、対応方針を取りまとめる考えを示しているが、緊迫化する中東情勢がいつ落ち着くのかは先が見通せない状況だ。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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