中東情勢の緊迫化を受け、石油の「国家備蓄」放出が26日に始まりました。
原油不足の影響は福岡の医療現場でも広がりつつあります。
政府は26日、愛媛県今治市の菊間国家石油備蓄基地で石油の「国家備蓄」放出を始めました。
順次、全国にある11の基地から放出する予定で、27日は福岡県北九州市沖の白島国家石油備蓄基地からも放出される予定です。
25日発表された最新のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は1リットルあたり177円70銭と、過去最高だった前の週の190円80銭から13円10銭値下がりしました。
6週ぶりの値下がりで、政府が実施しているガソリンへの補助金の効果が表れた形です。
一方で不安定なイラン情勢が続く中、地域医療の現場でも影響が出始めています。
福岡市西区のクリニックでは、石油製品の値上げに気をもんでいます。
◆井上さとし内科 井上聡 院長
「これは(1箱)1万円そろそろ上がる」
例えば胃カメラなどで使用する「鉗子(かんし)」という医療器具は、業者から大幅な値上げを伝えられています。
請求できる診療報酬の額は変わらないため、こうした器具の値上がりは直接経営に響くといいます。
さらに…。
◆井上さとし内科 井上聡 院長
「(注射器の)容器はもちろんですし、シリンジ自体もプラスチックで」
注射器や医療用の手袋点滴のバッグなど医療現場で使う多くものが、原油を精製して作られる「ナフサ」が原料です。
100枚入りで450円ほどだった使い捨てのゴム手袋が1000円以上で販売されているケースもあるといいます。
このクリニックではそれぞれの製品に在庫がありますが、今後の状況次第では十分な医療行為ができなくなる恐れがあるといいます。
◆井上さとし内科 井上聡 院長
「中東情勢(の混乱)がいつまで続くのかというのが一番心配です。一番大事な医療インフラ的なものがなくなってしまうと、医療行為ができないということになる。今のところ予想もつかないというか、もしそういったものが現実になると恐怖」
政府は、ナフサなどの石油関連製品についても供給状況や国内の在庫量などを踏まえ、対応方針を取りまとめる考えを示していますが、緊迫化する中東情勢がいつ落ち着くのかは先が見通せない状況です。