育児の話題をお伝えする3940のコーナ―です。
みなさんは、「母乳バンク」をご存じでしょうか?
4年前にこのコーナーで取り上げたことがあるんですが、当時はまだ関係する施設がなかった広島にこの春、新たに登録施設が誕生します。
早産など1500g未満で生まれてくる赤ちゃんは、広島県に年間およそ130人います。
そんな小さな赤ちゃんを育てた経験のある先輩お母さんたちは、もっと実情を知ってほしいと毎年、写真展を開いてきました。
数年前からそのお母さんたちが注目していたもの。
それは、「母乳バンク」です。
【しずくの木・漆畑希望代表】
「今はまだ広島では利用ができない状態なので、そういうのが選択肢の一つとしてあったらいいなと思います」
母乳バンクとは、母乳がたくさん出るおかあさんがドナーとなり、母乳を寄付し、母乳バンクが適切な処理をした上で、病院へ提供。
「ドナーミルク」として1500g未満の赤ちゃんに提供する仕組みです。
東京にある「母乳バンク」ここには、スクリーニング検査をし、登録が認められた母乳が届きます。
これを国際運用基準に基づき適切に「低温殺菌処理」し「細菌検査」も行い、冷凍保管します。
こうして冷凍された母乳が登録した病院へ届けられます。
しかし、これまで広島には提携する登録病院がありませんでした。
【石井記者】
「その母乳ミルクの登録施設が広島に初めてできることになりました」
広島市南区の広島大学病院。
6床あるNICU=新生児集中治療室には、治療が必要な赤ちゃんが運ばれてきます。
その数は年間180人です。
【広島大学病院小児科・早川誠一助教】
「こちらがGCU=新生児回復室になります。ちょうど真ん中に調乳室がありまして、ドナーミルクはこちらの冷凍庫に保存する予定になっています」
今は、入院している赤ちゃんのお母さんが、自分の子供のために届けた冷凍母乳があるだけですが、4月から母乳バンクのドナーミルクも使用できるように登録しました。
費用や運用面で課題はありましたが、利用者にアンケートをとったところ必要あれば利用したいという声が半数を占めたため、今回登録に踏み切りました。
大きな要因は赤ちゃんの健康です。
【広島大学病院小児科・早川誠一助教】
「母乳に関しては、栄養面だけでなく早産とか体重を小さく生んだ赤ちゃんにとっては腸の免疫であるとか、腸の成熟であるとかそういった観点から感染予防・腸の疾患の予防ということで、重要な役割を果たしています」
一方で、アンケートでは、不安や懸念の声もあったことから、粉ミルクなど人工乳を否定するものではないとも強調します。
【広島大学病院小児科・早川誠一医師】
「ドナーミルクが一つの選択肢として加わることで、ご家族が栄養に関して希望されるものを赤ちゃんに届けられるというのが一番大きな利点かなと思います」
広島では、広島市民病院も新たに登録をし、使用できるよう準備を進めています。
広島からドナーとして母乳を提供する人も現れています。
去年、三原市の内科がドナーとして問題ないかを検査する施設として登録し、1年間でおよそ10人のお母さんが、広島から全国へ母乳を提供しています。
広島県では、今、「搾乳」できる場所を広げようと搾乳マークを普及させています。
これまで活動してきた早産児の先輩お母さんは、広島でも登録施設が広がる現状に…
【しずくの木・漆畑希望代表】
「正直びっくりしたのが一番。これで一歩進んだ。使う使わないのは、個人の判断だが使える状況ができたのはすごく大きなことだと思います。登録施設が各地域にあればいいと思うし、ドナーミルクを受け入れる(母親側の)登録施設が増えたらいいなと思います」
母乳バンクによると必要とする赤ちゃんは、全国で年間5000人。
小さな命を守るために広がりと理解が待たれています。
《スタジオ》
ドナーミルクは主に、早産・1500g未満の極低出生体重児の赤ちゃんが対象です。
ドナーとなるお母さんにとっても赤ちゃんが入院して出すぎる母乳で困っている人もいて、「捨ててしまう母乳で社会貢献ができる」機会となっています。
日本母乳バンク協会では、運営に寄付を募集しています。
詳しくは協会のホームページで確認してください。
【日本母乳バンク協会】https://jhmba.or.jp/