島根県松江市にある戦後まもなく建てられたかつての呉服問屋の建物について国の文化審議会は3月26日、国の登録有形文化財に登録するよう答申しました。
松江市文化財課・金山正樹課長:
福寿苑は白潟の歴史ですね。そういったものを引き継ぐというか顔になるような貴重な文化財だと位置づけています。
国の登録有形文化財への登録が答申されたのは、松江市の中心市街地・天神町にある「福寿苑店舗」。
戦後間もない昭和26(1951)年に建てられ、呉服問屋の店舗として使われた建物です。
四つ角に位置し、ゆるやかな曲線を描く外壁に四角や半円形の窓など幾何学的なデザインがちりばめたアールデコ風の端正な外観です。
「福寿苑」がある天神町は、戦国時代から商人の町として発展してきた「白潟地区」の一角、終戦直後の昭和24年の白潟大火のあと、新しい街のシンボルとして建てられました。
平成に入って外観の一部が改修されましたが、地域の歴史を今に伝える建築として評価されました。
建物の内部は細部に至るまで繊細な仕上げ。
当時としては珍しい鉄筋造りに加え、スチール製の窓枠など「白潟大火」を教訓にした防火建築である点も評価されました。
国の登録有形文化財の登録は島根県では213件目、松江市では40件目で、県と市は白潟地区の歴史を伝える文化財としての活用も今後検討することにしています。