憧れの職場で働く夢をかなえた21歳の女性。
元交際相手の男は、なぜ「ポケモンセンターのバイトはお前には合わない、辞めろ」という心ない言葉を浴びせ、殺害するに至ったのか。
映像に映るのは、警報音が鳴り響き騒然とする現場です。
駆け付けた警察官が立つ横にはポケモンが描かれています。
目撃者は「ちょうど中で会計をしようと並ぶときにレジの方から、奥の方からガタガタと聞こえたので、最初『なんだろう』と思ったら、どんどん人が奥の方からパニック状態で『助けて』や『逃げて』や『ヘルプ』などと言いながら出ていくのが見えた」と話します。
26日午後7時15分ごろ、「中で刃物を持った人が暴れている。男性と女性が血を流して倒れている」と通報がありました。
現場は春休みでにぎわっていた東京・池袋の「サンシャインシティ」にある「ポケモンセンター」でした。
目撃者:
逃げるタイミングだったので、振り返ると服に血がついている人がいて、その人が制止するような形で黒いTシャツを着た男の人がレジのあたりで暴れているように見えた。
首などを刃物で刺され亡くなったのは、アルバイト店員の春川萌衣さん、21歳。
春川さんを刺した広川大起容疑者、26歳も自分の首を刺して死亡しました。
春川さんを知る人:
そうなんですか?(春川)萌衣ちゃんだったんですね。うちの子も大好きで、ポケモンセンターとか行ってて。昨日そのニュースを聞いて、知り合いの萌衣ちゃんだと思っていなくて、今聞いてびっくりした。
捜査関係者によりますと、店に入った広川容疑者はレジカウンターをめがけて真っすぐに進み、カウンターの中にいた春川さんの首などを果物ナイフのような刃物で少なくとも5回にわたり刺し、その後、自らの首を刺したということです。
ナイフの柄の部分には、滑り止めとして使ったのか、タオルのようなものが巻かれていました。
そして、同じフロアにあるトイレの個室からは、広川容疑者名義の免許証などが入ったリュックサックが押収されました。
殺害された春川さんについて近所に住む人は、「家族みんなで仲良かったです。重い荷物を持ってお母さんサポートしたり。すごく背も高くて足も長い。すごいファッションの子で、モデルになればいいかと思っていた。すごくショックです」と話します。
春川さんの元交際相手だった広川容疑者は、2025年12月にストーカー規制法違反の疑いで逮捕されていました。
2人が出会ったのは、一緒に働いていた東京・八王子市内のファストフード店。
2024年10月から交際を始め、その後、春川さんはポケモンセンターに転職。
2025年7月に別れたきっかけは、広川容疑者の「ポケモンセンターのバイトはお前には合わない、辞めろ」という発言でした。
ところが、その後の捜査関係者への取材で、広川容疑者は別れたあとにも春川さんの自宅玄関にポケモンカードのプレゼントを置くなど、つきまとい行為をしていたことが新たにわかりました。
2025年12月には、春川さんが「つきまとわれている」などと警視庁に相談。
広川容疑者が春川さんの自宅前に現れ、車から果物ナイフが発見されたことなどから、ストーカー規制法違反の疑いで逮捕されました。
2026年1月に接近禁止命令が出された際には、「復縁したかった。もう近づかない」と話した広川容疑者。
その後、略式起訴され罰金80万円を納めて釈放されました。
その後、警視庁は3回にわたり春川さんと連絡を取り、3月12日にも異常はないとの返事をしていた中で起きた今回の事件。
春川さんの友人は「イット!」の取材に、「ポケセンで働くのが夢だと言ってたから、働きはじめて楽しそうだった」と話していました。
しかし、ストーカー被害の影響なのでしょうか、「会ったときは明るかったけど、言葉の節々に男性を怖がる感じがあった」などの様子もみられたといい、春川さんの友人は「本当に悲しいし、むなしい…」と話していました。
警視庁は、勤務先の変更などを助言したものの、春川さんは「仕事は辞められないポケモンセンターで働くのが夢だった」と話していたといいます。
ストーカー事件の悲劇を繰り返さないためにはどうすればいいのか。
平松英敏フジテレビ解説副委員長:
ストーカー治療については何らかの強制力を持たせることが可能だと思う。例えば執行猶予の代わりに治療を義務づけるだとか、大胆な防止策を打っていかないと、今後も同じような事件が繰り返される。