アメリカとイランの協議に注目が集まる中で、トランプ大統領が協議の進展を明らかにしました。

フジテレビ・中本智代子解説副委員長とお伝えします。

トランプ大統領ですが、イランとの交渉について「イランは本当に素晴らしいことを行った。大きなプレゼントが届いた」と述べ、ホルムズ海峡の問題に関してイランが何らかの譲歩を行ったことを示唆しました。
この大きなプレゼントの中身が、石油・ガスに関連するものだとしています。

青井実キャスター:
大きなプレゼントはあったのか、なかったのか、その辺りどうでしょうか?

フジテレビ・中本智代子解説副委員長:
イランが大きな譲歩をしたと言っていますけれども、実際、本当に譲歩したかどうかというのはかなり疑問だと思うんですね。トランプ大統領は石油と天然ガス関連で莫大な額のお金をもたらすというふうに言っているんです。これがまさにトランプさんらしい表現であって、核関連ではないと。本来であれば核施設の放棄とかそういったことが攻撃の目的の1つだったはずなのに、核関連のプレゼントではないと言っているので、ビッグプレゼントは他の誰にでもなく、トランプ大統領にとっての大きな贈り物だったんじゃないかなと思っています。
つまり、トランプ大統領が一番避けたいのは石油が供給不足になって物価が高騰して自分の支持率が低下してということなので、実際、支持率も4ポイント下げていますし、このイラン側がホルムズ海峡についての何らかの保証を提案してきたということで、ビッグプレゼントと言っているのかもしれないですね。

宮司愛海キャスター:
協議が進んでいると主張しているトランプ大統領は、アメリカ側の交渉メンバーについて、ウィトコフ中東特使、クシュナー氏、ルビオ国務長官、バンス副大統領の4人を挙げています。その中でも「注目」と書いてありますが、これまで今回のアメリカの軍事作戦に消極的だとされていたバンス副大統領が、今後のキーパーソンになるかもしれないと。これはなぜですか?

フジテレビ・中本智代子解説副委員長:
これまでウィトコフ特使とクシュナー氏というのがイラン攻撃の直前までオマーンの仲介によって交渉していたんですね。次はいつ会いましょうというふうに話し合いが進んでいた中で、突然の奇襲攻撃だったわけです。なので、イラン側はこの2人を信用していないと。知識も理解もないというふうにみなしているので、新たにバンス副大統領がトランプさんの最側近なので、彼を登板させるということはイラン側が重要視というか、ある意味を持つ可能性もあります。
バンス副大統領とルビオ国務長官は、トランプ氏にとっていわゆる「水戸黄門」でいうところの助さん角さん、両方刀だと思うので、特にその中でもバンスさんは信頼が厚くて、MAGAの後継者ともいわれています。
さらにバンス氏の奥様、婦人がインド系の弁護士で国際派ということもあり、バンスさんも理解がクシュナー氏たちよりはあるのではないかとみられています。

青井実キャスター:
バンス副大統領が出てきましたが、なぜ協議に出てきたのかも含めてどうでしょう。

SPキャスター パトリック・ハーラン氏:
この交渉により力を入れますという象徴的なキャスティングかと思うんですが、本人にとっては、副大統領を通して次の大統領選挙に出るための布石でもあるわけです。ここで功績を1つ残したい。
一方、何でトランプ氏が使ったのか。もちろん、より注力したいというのもあるんですがそれだけじゃなくて、バンス氏はこの軍事作戦に対して結構消極的、反対派です。MAGAという支持層の中にもそういう方が多いんです。その代表としてチームプロジェクトに巻き込んで、共同の作戦にしようという狙いもあるんじゃないかと思います。

宮司愛海キャスター:
一方でイラン側はこれまで協議そのものを否定していましたが、イスラエルの大手メディア・Ynetによりますと、イランのアラグチ外相がアメリカのウィトコフ中東特使と電話会談して、最高指導者であるモジタバ師から、イランの条件が満たされる限り早期に戦争を終結させる承認を得て話していると伝えたということを報じました。
そのアラグチ外相ですが、中国の王毅外相との電話会談で、イランは一時的停戦にとどまらず、全面停戦に尽力すると話したということです。

青井実キャスター:
こういった報道が出ているわけですが、イスラエルのメディアですが信ぴょう性などはどうみますか?

フジテレビ・中本智代子解説副委員長:
このYnetというのはイスラエルの大手新聞のオンラインサイトなので、しっかりとしたメディアではあるんですが、今回の報道に限って言えば、信ぴょう性は怪しいと言わざるを得ないと思います。記事はどちらかというとイスラエルの願望の報道内容だと思います。
一方で、アラグチ外相が実際、もしウィトコフ特使もしくは王毅氏とやり取りをしたとしても、彼が実権を握っているわけでもないですし、モジタバ氏と直接やり取りをしているとは考えにくいと思います。

宮司愛海キャスター:
これからの話ですが、アメリカメディアによると、26日にもアメリカとイランの高官級協議が行われる可能性があるということです。開催場所とされるパキスタンのシャリフ首相ですが、有意義な協議を開く用意があるとSNSに投稿し、前向きだということです。
トランプ大統領は約15項目で協議を進めていると明らかにしていますが、和平に向けて着地点を見いだせると思いますか?

フジテレビ・中本智代子解説副委員長:
この15項目というのは、パキスタンを通じてすでにイラン側に提示されたと言われているんですが、イランが15の条件全部をのんだらイスラム体制の崩壊といいますか、イランが目指す国家は体をなさないと思います。なので、このまま受け入れることは考えられません。ただ、交渉というのはハードルを高くしてここから中間地点、折り合いを見ていくので、高く設定したということだと思います。

青井実キャスター:
連日トランプ大統領の発言注目ですけど、国内事情を考えると早く終わらせたい焦りもみえるのかなと。

SPキャスター パトリック・ハーラン氏:
秋に中間選挙を控えているトランプ氏ですが、今ガソリンも高いし物価も高いし失業率も上がってるし、不満が高まって支持率も下がっているんですよね。ここでイラン攻撃を早く終わらせて何か功績を作りたいという思惑はあるはずなんですが、そこで大きなプレゼントが届いたという発言が、本当にそのために行っているのか。それとも言っているだけなのかというのが気になりますね。プレゼントを開けて空だったというよりも、発言自体が空だった可能性が大なんじゃないかなと。

青井実キャスター:
今後の注目ポイントを挙げるとすれば?

フジテレビ・中本智代子解説副委員長:
イラン側が提示している条件というのも全く逆といっていいほどなので、隔たりが大きすぎます。アメリカはさらに軍備を強化すると言ってますので、和平は簡単ではない、そんなに近くはないと、残念ながら。