牛肉よりも安くお財布に優しい庶民の味方、鶏肉。
しかし価格が高騰し、食卓への影響が懸念されています。
取材班が向かったのは、埼玉・川越市にある“大食いの聖地”と呼ばれるデカ盛り店「二代目蝦夷」。
カリッとジューシーなから揚げがうずたかく積まれ、総重量2.6kgというボリューム満点の定食。
コスパ最強のメニューがずらりと並んでいました。
客の胃袋をがっちりつかむ中、店内には「ブラジル産の鶏肉の仕入れが安定しないとして、しばらくの間、国産の鶏むね肉を使用する」などと書かれた貼り紙が貼られていました。
「二代目蝦夷」では、2025年9月ごろ1kg300円台だったブラジル産のもも肉の仕入れ値が、わずか3カ月で約300円上昇し、さらに2026年に入ると約850円まで高騰したといいます。
多い日で1日70kgという大量の鶏肉を使う店は、売れば売るほど損をする状況に陥り、2カ月ほど前に国産の胸肉に切り替えました。
二代目蝦夷・岡安清純店主:
死活問題ですね。1カ月で50万円以上変わってくる。お店の企業努力ではカバーしきれない金額。
鶏肉は世界的に需要が増える中で円安も重なり、調達するのが難しくなっているといいます。
輸入鶏肉の価格を見てみると、2025年4月には1kg332円でしたが、2026年1月には400円に値上がりしています。
「二代目蝦夷」では、から揚げの単品の価格を150円値上げすることを余儀なくされました。
二代目蝦夷・岡安清純店主:
22年営業しているが、こんな価格は聞いたことがない。経験したことないくらいまでの価格まであがった。どうぞ嫌いにならずに来ていただけたら。
続いて向かったのは、東京の下町にあるリーズナブルさが魅力の「唐揚げ専門 やまだ商店 両国店」。
やはり聞こえてきたのは悲鳴でした。
唐揚げ専門 やまだ商店 両国店・川本美和店主:
厳しい。価格が上がるだけなら良いが(鶏肉)入ってこない。取り合いになってて肉が…。
「唐揚げ専門 やまだ商店 両国店」では、から揚げに使うブラジル産の鶏肉の仕入れ値が、2025年10月から約1.7倍に上昇したといいます。
そして、2026年1月から唐揚げ4個入り800円の弁当を、サイズを小さくした唐揚げ3個入りで700円とする“実質値上げ”に踏み切ったのです。
鶏肉に追い打ちをかけそうなのが、イラン情勢の緊迫化です。
さらなる円安や燃油価格の急騰による食用油の値上がりで、トリプルパンチが襲いかかろうとしています。
唐揚げ専門 やまだ商店 両国店・川本美和店主:
(弁当の価格を)上げたばかりで客数もすごく落ちてまだ戻ってきていない。戻るまでは頑張ってこのままで続けようかな。
食卓に打撃を与える“鶏肉ショック”。
イタリアンレストランチェーン「サイゼリヤ」は、鶏肉原料の供給不足を理由に「若鳥のディアボラ風」と「柔らかチキンのチーズ焼き」を販売休止としています。
SNSでは、人気メニューの休止に「えぇっマジかよ!これは痛すぎる」「26年間若鳥のディアボラ風しか頼んだことない俺はどうしたらいいのか…」という嘆きの声が上がっています。
関係者は、中東情勢の悪化が続けば輸送コストの上昇やさらなる円安を通じて、今後一段と値上がりする可能性もあるとしています。