24日の特集、テーマは「部活動」です。
多くの人にとって身近な「部活動」。そのあり方が公立中学校でいま大きく見直されています。
部活動の「地域展開」です。以前は「地域移行」と呼ばれていましたが、名称が変わりました。
この春からは全国的に本格化するということで、県内の部活動改革の現状をシリーズでお伝えします。
24日は全国に先駆けて取り組んできた朝日町の現場から「地域展開」とは何か、見つめます。
*朝日町教育委員会 木村博明教育長
「このままだったら部活動がもう学校に残らない。子どもたちの文化芸術・スポーツ活動がもう停滞していくに決まっている」
新年度、全国的に取り組みが本格化する、「部活動の地域展開」
少子化や教員の働き方改革を背景に、従来、教員が担ってきた部活動の指導を地域のクラブ・団体が支えるというものです。
国はこれまでの3年間を「準備期間」として主に休日の移行から推進。
そして新年度以降は平日も含めた地域展開を加速させていく方針です。
全国に先駆けて、5年前から改革を進めてきたのが朝日町です。
町内唯一の中学校、朝日中では、新年度からは10種目の部活動すべてが町認定の「地域クラブ」へ完全に移行します。
こちらは卓球部。
これまで指導は教員と地域の指導者が日によって分担していましたが、この春からはすべて地域が担います。
この日、生徒たちを指導していたのは、水島一友さん、78歳です。
卓球歴は70年近く。
現在、町認定の指導者約30人の三分の一が60歳以上で、シニア世代の活躍が光ります。
*水島一友さん(78)
「地区の人たちと生徒たちが今までは会話することが少なかったが、我々が生徒たちとやることで先生とはまた違った接し方も出てくる。冗談も言える。そういうところまでもっていければいいのかなと」
*卓球部の生徒
「やっぱり経験者の指導はわかりやすい。他の学校の子よりも上達が早いんかなって。(指導が)先生だったら『先生だな』って思って聞けないこともある。地域の人は親近感があって聞けるのがいい」
一方、課題は、将来的な指導者の確保です。
町では定年退職した教員に働きかけるなど持続可能な運営を模索。
1回あたり運動系で1800円、吹奏楽では1万3000円の謝礼を用意しています。
こうした運営費を町を補助することで、新年度からの保護者負担は月額1000円としました。
*朝日町教育委員会 木村博明教育長
「シニアの方々のやりがいとうまくマッチングさせていく。『子どもたちのためなら一肌脱ぐよ』という方がけっこういる。うまく回っていますね、今のところ」
朝日町の木村教育長。町では5年かけ段階的に進めてきたことなどで地域の理解を得られやすかったと話します。
しかし全国的には、「学校での部活動をなくすべきではない」など一部で反発の声もあります。
木村教育長は国の有識者会議の委員も務める立場として、こう訴えます。
*朝日町教育委員会 木村博明教育長
「地域の子は地域で育てるという観点をもう一回見直していく。何でもかんでも学校にお任せという時代はもう終わってきている。いま教員不足もある中で、不登校の生徒も増えていじめ問題もあり、あれもこれもの中でどこまで先生方が大変なのかということをしっかり踏まえていかないと、『部活動は学校に残すべきだろう』みたいなそんな議論をいつまでしているんだと、みんなで支えていきましょうよというところをしっかりと押さえていかないと」
この「地域展開」ですが、自治体によっては地理的な事情などもあり、進捗や取り組み方はさまざまです。
大きな課題としては1受け皿(指導者や場所)の確保、2保護者(送迎や金銭)の負担、が挙げられ、議論が進んでいます。