宮城県石巻市の大川小学校で津波の犠牲となった児童の遺族を描いたドキュメンタリー映画があります。2023年公開ですが、2026年3月、首都圏などでアンコール上映され、これに合わせテーマ曲のCDが再製作されました。
作詞作曲を手掛けたのは仙台の弁護士です。曲に込めた思いとは。

3月上旬、東京・新宿。「生きる」というタイトルの映画が上映されました。
2023年に公開されたこの映画は、石巻市の大川小学校で津波の犠牲となった児童の遺族が、真実を求めて行動してきた記録のドキュメンタリーです。

宮城県と石巻市の責任を問う裁判で遺族側の代理人を務めた弁護士・吉岡和弘さん。ここで起きた出来事が忘れられないようにと映画製作を勧めました。
エンディングで流れる「駆けて来てよ」。この唄を作詞作曲したのも吉岡さんです。

仙台弁護士会に所属する吉岡さん。欠陥住宅など、消費者被害の問題を数多く手がけてきました。
学生時代は吹奏楽部に所属し、音楽に親しんできました。演奏だけでなく、作詞作曲も好きでした。一般の人が作った楽曲を紹介するテレビ番組に採用されたこともあるほどです。

「駆けて来てよ」に込めた思いは。

吉岡和弘さん
「かけがえのない人をなくしてしまったりですね。愛する人を亡くしたしまった人の感情としてはですね。確かに死亡して亡くなられてはいるんだけど、心情的にはそんな死んでなんかいないんだと、遺族の心情をうまく表現する訳にはいかないけれども、ともに生きて行くんだということを考えているんではなかろうかというようなことを想像してですね。ああいう歌を作ってみたんですけどね。」

映画公開に合せて作った「駆けて来てよ」のCD。すでに売り切れ、インターネットで検索して聞くしかできなくなっていました。

今年1月、「生きる」が、アンコール上映されることが決まりました。連絡を受け、もう一度、CDを作ろうと関係者から提案がありました。制作に協力してくれるのは歌を歌った廣瀬奏さんなど、仙台や東京で活躍する音楽家の皆さんです。

廣瀬奏さん
「『かけてきてよ』を最初に収録したときから約3年経って、私も3歳年を取って、やっぱり当時歌ってた時はまだどんな気持ちで歌っていいのかなっていうのが、いまいち定まらないまま歌ってしまっていたので、やっぱり今回この気持ちを、自分がまだ親にはなってないんですけど、母親になった気持ちで歌いたいっていうのと、どこかラブソングみたいな気持ちも持ちつつ、いろんな方向からこの歌を届けられるように歌っていきたいなと思ってます。」

2月上旬。仙台市内のスタジオに、オンラインで打合せした東京の作曲家、日高哲英さんがやってきました。収録の指揮をとります。

3月上旬の「生きる」上映日。「駆けて来てよ2026年バージョン」のCDが上映館で販売されました。

訪れた人
「とても何かえぐるものがある、直接的にすごく情感がえぐるものがあるような曲かなあと思いますけれどもね。」
「なんか本当に優しい声でちょっと感激したものですから、ほかの方にも聞かせてあげたいなと思って。なんか知らない方が多いので、やっぱり。またねこの3月11日が訪れますしその時だけじゃなくてって思いがやっぱり強いですね。」

吉岡和弘さん
「この社会で最も安全であるべき学校で、お子さんの命を失ってしまうというようなことは絶対にあってはならないという映画のテーマがあるわけですけれども、それに沿う主題歌としてですね。いろんな方がこの曲を聴いて、そして歌ってくれるという状況になっていてですね。それがあの防災にもつながっていけば、ありがたいなというふうに思っていますけどね。」

仙台放送
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