映像に映るのは、スパイスたっぷりの真っ赤なライスに、丸々1匹の魚の素揚げが添えられた日本ではなじみがないアフリカ料理です。
本格的なアフリカの料理が楽しめるこのお店、実は団地の一角にあります。
いま、団地で本格的な外国料理が味わえる異国の“団地グルメ”が広がっているんです。
埼玉・三郷市のみさと団地の一角にあるのはアフリカ料理専門店「リベリア アフリカン」です。
厨房に立つのはリベリア出身のプリンセス・ゲフティさんです。
人気メニューの1つである「フフとあっさりスープ」は、牛肉やエビなどの魚介でだしをとったスープに料理用バナナを練ったアフリカの主食「フフ」が入った優しい味わいのリベリアの家庭料理です。
オススメに従って、現地流の手で食べた記者は「スパイスがたくさん混じったスープが絡みついてとても刺激的な味ですけど日本人の方にも好まれると思う」と話します。
スパイスの香りが食欲をそそる「ジョロフ・ライス」も人気メニューの1つです。
トマトベースのスパイシーなご飯に添えられているのは、淡水魚・テラピアの素揚げです。
異国の味を楽しみに訪れたという地元のお客さんは、テラピアの素揚げをひと口食べ、「うまい。さっぱり系」とリアクションします。
2年前、みさと団地にお店を構えたプリンセスさんは「夫と私がレストランを開くと決めたとき、この場所は賃料が安かったから開くことができた。団地は安いです」と、団地にお店を開くことになった理由を語ります。
隣の草加市にはアフリカ人コミュニティーがあることや賃料が安いという理由で、団地に店舗を構えることにしたといいます。
家賃が安く、さまざまな国の外国人が住むようになった日本の団地。
プリンセスさんもお店を構えるみさと団地に住んでいます。
こうした異国の“団地グルメ”は他の地域でも。
ブラジル人が多く住む愛知・豊田市の保見団地では、団地内にブラジル料理店「ランショネテ・チア・ジョ」があります。
さらに、東京・江東区にある大島四丁目団地には、パキスタン料理専門店「ハビビ ハラル レストラン」があり、マトンカレーなど本格的なパキスタンカレーが楽しめます。
遠い異国の味が近所で楽しめる“団地グルメ”。
団地の日本人住民はどう思っているのか聞いてみると、「たまには行ってみようかなと思う。面白いじゃない」と答えました。
一方、団地に外国人住民が増えたことで、ごみ出しや騒音などのトラブルが起きた地域もあります。
日本で働く外国人が増える中、プリンセスさんはこうした問題が起きないよう、「アフリカに訪れたことがない日本人にアフリカ料理を食べてほしくて、このお店を始めました。日本のお客さん来てください」と話し、食を通じた交流を続けていきたいといいます。