4月から、自転車の交通違反に反則金制度が導入され、新たに対象となる違反項目はなんと113項目にのぼります。

ながらスマホ、イヤホン装着、傘差し運転……“ついついやってしまったことがある”という行為もあるのではないでしょうか。

これらが、全て反則金の対象になるのです。

意外なところでは「ハンドルに買い物袋などをかける行為」も対象で、反則金は5000円です。

混乱してしまいそうな、今回の反則金導入について、関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、刑事訴訟法や交通ルールを専門とする近畿大学法学部の辻本典央教授がクイズ形式で解説しました。

■ハンドルに袋をかけるのも違反

今回の制度改正で反則金の対象となる主な違反行為には以下のようなものがあります。

・ながらスマホ(スマートフォンを操作しながらの走行)… 1万2000円(最高額)

・ヘッドホン・イヤホンの使用…5000円

・傘差し運転…5000円

意外なところでは、こんな“ルール違反”も反則金の対象です。

・ハンドルに買い物袋などをかける行為… 5000円

・通行人に泥をはねかけた場合…5000円

■【クイズ・第1問】「車道の信号が青なら進んでいい?」実は違反になる交差点がある

ここからはクイズ形式で実際の道路状況を想定して、その行為が違反になるかどうかを見ていきます。

<第1問>自転車で車道を走行中、交差点に差し掛かりました。歩道の信号は赤、車道用信号が青でした。どちらの信号をみればよいでしょうか?

スタジオの俳優・藤江萌さんの解答は「車道の信号を見て青になったらそのまま進む」でしたが、辻本教授の判定は「残念ながら違反になります」というもの。

交差点の歩道の信号には、「歩行者・自転車専用」の標識が設置されていたのです。

【辻本教授】「自転車は車道を走っている車両ですから、本来は目の前の車道の信号を見ることになります。ただ、『歩行者・自転車専用』の信号が付いている場合は、必ずその信号に従って走行しないといけないというルールになっている」

つまり、”原則は車道の信号に従う”が、歩行者・自転車専用の信号が設置されている交差点では”例外的にその専用信号が優先される”ということです。

辻本教授は「原則をしっかり押さえた上で、こういう場合には例外なんだと覚えていくといいと思います」と強調しました。

さらにこのルールは車のドライバーにも影響します。自転車が車道を走っていると、車のドライバーは「まだ車道信号は青だから進める」と思いがちですが、前を走る自転車は専用信号が赤になった時点で急停止することがあります。

自転車乗らなくても車に乗るなら知っておかなければいけないということです。

■【クイズ・第2問】交通量が多い道路「歩道を走ったら違反?」標識を確認せよ

<第2問>車の交通量が多い橋。怖いので歩道を走りました。これは違反?

スタジオのジャーナリスト・風間晋さんの答えは「やむを得ないからOKだと思う。特に橋は逃げ場がないし、写真を見るとフェンスも高いですよね」。

辻本教授の判定は「結論としてはOKです」と正解でしたが、「ただ理由が違います」と説明を加えました。

【辻本教授】「この場合は歩道に“自転車通行可”の標識があるからOKなのです。歩道を標識に従って走っていい時は、左側ではなく道路に近い側を走るというルールになっています。あくまで歩行者の歩行を妨げないことが基本です」

また、70歳以上の高齢者と子どもについては、この標識がなくても歩道走行が認められているということです。

ただし歩道で“歩行者に向けて「チリンチリン」と鳴らし続ける”ベルの多用は「警笛の不要使用」として別の違反になります。

■【クイズ第3問】「車両進入禁止の道を左折したい」正解は”降りて押す”

第3問は見落としがちな標識に関する問題です。

<第3問>交差点を左折して奥に進もうとしたら、進行方向に「車両進入禁止」の標識がありました。どうすればいい?

【辻本教授】「自転車は車両扱いですので、そもそも入ってはいけません。この場合は降りて押して進んでいただくのが正解です」

自転車を降りて押せば”歩行者”として扱われるため、車両進入禁止の規制を受けずに通行できます。左右どちらの歩道を使っても構わないとのことです。

ただし、標識に「自転車を除く」という補足表示がある場合は自転車での通行が許可されているため、降りる必要はありません。

辻本教授は「標識の下に書いてある小さな文字まで確認してほしい」と繰り返し強調しました。

■複数違反は”全部足される” ながらスマホのスマホ固定はOK?

では、複数の違反を同時にやってしまった場合、どうなるのでしょうか。

辻本教授は「全部足されてしまいます」と指摘。例えば傘差し運転をしながら歩道を違反走行した場合、それぞれの反則金が加算される形になのだそうです。

また、”ながらスマホ”に関連してスマートフォンをハンドルに固定した場合はどうかという疑問に対し、辻本教授はこう答えます。

【辻本教授】「カーナビの代わりに使う場合は、あくまで運転の補助として使用するものですので、スマートフォンに集中していないという前提で、この規定には該当しないと思います」

また「イヤホン装着での走行」についても…

【辻本教授】「両耳を塞ぐことで周囲の音が聞こえなくなることが問題ですので、片耳だけであれば大丈夫。また、耳を完全に塞がないオープンイヤー型のイヤホンも問題ありません」

■「ルールは事故を防ぐためにある」警察も指導で対応する場合も

最後に辻本教授は、このように締めくくりました。

【辻本教授】「大事なのはあくまで事故を起こさない、あるいは危険な運転をしないということ。ルールもそのためにある。

分かる限りで当然守っていただきたいところはありますが、いざ判断がつかないときは、あくまで自分の身を守る、他人を怪我させない、それを前提に運転していただいたら構わない」

また、取り締まりの運用についても、「即時に違反行為とするものもある一方、状況によっては指導で終わらせるのが運用になるようです」と説明しました。

警察が反則金を取ることを目的としているわけではないということです。

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年3月24日放送)

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